2002 Fiscal Year Annual Research Report
早老症:ウェルナー症候群原因遺伝子産物の機能の分子レベルでの解析
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01J07982
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川辺 洋一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ウェルナー症候群 / WHIP / AAA^+ATPase family / Two-hybrid Screening / DT40 / DNA二本鎖切断修復 / Ku70 / XRCC3 |
Research Abstract |
1 WHIPと相互作用するタンパク質の同定 WHIP相互作用タンパク質を同定することを目的にTwo-hybridスクリーニングを行い、WHIP自身での結合を明らかにした。また、ゲル濾過カラムでの解析でWHIPは六量体を形成することを明らかにした。申請者はWRNとWHIPの結合にはATP結合モチーフが重要であることを既に示しているが、このWHIPの六量体形成にはATP結合モチーフの関与がないことを明らかにした。 2 ニワトリDT40細胞を用いたWRNとWHIPの遺伝学的解析 WHIP/WRN二重破壊株を作成し、細胞増殖能と4NQOへの感受性を測定したところ、WRN単独破壊株で見られた細胞増殖能の低下と4NQOへの高感受性が部分的に回復することを見出した。これによりWRNの関わる経路においてWHIPがWRNの上流で機能することが明らかになった。 3 ニワトリDT40細胞を用いたWRNとDNA二本鎖切断修復因子との遺伝学的解析 WRNと二本鎖DNA修復経路に関わるタンパク質群(Ku70,XRCC3,DNA-PKcs, Lig4)との遺伝子二重破壊株の樹立を行い、現在までにすべての遺伝子破壊株の樹立を終了した。現在までにKU70/WRNとXRCC3/WRN二重破壊株について細胞増殖能、細胞傷害剤(MMS, Cisplatin,4NQO)への感受性を測定した。細胞増殖能についてはそれぞれの単独破壊株より両二重破壊株とも増殖能の低下が見られた。薬剤感受性については、WRN単独破壊株ではすべての薬剤に対して感受性を示すが、KU70/WRN二重破壊株においてはKU70単独破壊株と同様にすべての薬剤に対してWTより抵抗性を示した。一方、XRCC3/WRN二重破壊株ではすべての薬剤に対して感受性は相加的であった。
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[Publications] 林 朋子: "Ubc9 is essential for viability of higher eukaryotic cells"Exp. Cell. Res.. 280・2. 212-221 (2002)
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[Publications] Branzei Dana: "Characterization of the slow-growth phenotype of S. cerevisiae whip/mgs1 sgs1 double deletion mutants"DNA Repair. 1・8. 671-682 (2002)