2003 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属錯体触媒を用いた糖質化合物の立体選択的合成法の開発
Project/Area Number |
01J08779
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川端 裕寿 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | キラルプール法 / キラルビルディングブロック / D-グルカール / テトラヒドロピラン誘導体 |
Research Abstract |
最近、私たちはフッ化水素-ピリジン(HF-py)を用いたアリール-C-グリコシドの立体選択的合成法を開発した(Chem. Commun.,1329,2000)。本方法は、様々な芳香族化合物を高収率、高い立体選択性でα選択的に、D-グルカール誘導体の1位に直接導入することができる。今回、この反応の生成物である1-アリールヘキサ-3-エノピラノシドウロースを中間体とする光学活性2-アリール-6-メチルテトラヒドロピラン類の合成を検討した。光学活性テトラヒドロピラン構造は、生理活性化合物の分子内によく見られ、効率の良い合成法の開発が必要とされている。 HF-pyによる立体選択的カップリング反応により1位にメシチル基を導入した[(2S,6R)-6-メシチル-5-オキソ-5,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル]メチルアセテートを原料に用いた場合を例に合成経路を説明する。まず、NaBH_4によるエノンの還元、続くNaOMeによるAc基の脱保護により6-ヒドロキシメチル-2-メシチルテトラヒドロピラン-3-オールが得られた(全収率89%)。続いて、NaIとMe_3SiClを反応させると、第二級水酸基だけが選択的に還元され(6-メシチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メタノールを収率47%で与えた。その後、残った第一級水酸基をトシル化し(収率84%)、LiAlH_4によりトシルオキシ基を除去することで、目的の(2S,6R)-2-メシチル-6-メチルテトラヒドロ-2H-ピランが得られた(収率72%)。さらに、メシチル基以外のアリール基を持つアリール-C-グリコシドにも適用できた。本方法は、糖質原料によるキラルプール法に基づいた合成法であり、再結晶などの操作を一切必要とせずに光学的に純粋なテトラヒドロピラン誘導体が得られる。
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[Publications] 中道夏樹: "Oxidative Aromatization of 9,10-Dihydroanthracenes Using Molecular Oxygen Promoted by Activated Carbon"The Journal of Organic Chemistry. vol.68. 8272-8283 (2003)
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[Publications] 川下由加: "Direct and Practical Synthesis of 2-Arylbeuzoxazoles Promoted by Activated Carbon"Organic Letters. vol.5. 3713-3715 (2003)
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[Publications] 林 昌彦: "Stereoselective C-Glycosidation of Unprotected _D-Glycals with Trimethylsilyl Cyanide"Chirality. vol.15. 10-16 (2003)