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2002 Fiscal Year Annual Research Report

単語認知過程を組み込んだ文章の読みのモデルの構築

Research Project

Project/Area Number 01J08942
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

森田 愛子  広島大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC2)

Keywords漢字 / 文の読み / プライミング / 語彙判断 / 校正
Research Abstract

これまでに,文中に同音偽単語(正しい熟語と読みが同じ)が呈示されると,統制偽単語(例:執滅)のような手がかりのない偽単語に対してよりも反応が速くなることが明らかになっている.これは同音偽単語が文中で呈示されると,読みが同じ正しい熟語との照合・確認過程を経て処理されるためという説明できる.ただし,この点についての実証は行われていないため,漢字二字の刺激を文中で呈示する実験,プライミング事態で呈示する実験の結果について,詳細な分析を行った.もし,"同音偽単語から正しい熟語を検索して照らし合わせるから反応が速い"のであれば,正しい熟語をすぐに検索できるかどうかによって反応時間が変化するはずである.照合対象の正しい熟語が,高頻度語ならばすぐ照合できるので反応が速く,照合対象の正しい熟語が,低頻度語ならば照合しにくいので,反応は速くならないと予測された.
分析ではまず,偽単語のもとになった正しい熟語の出現頻度を算出し,刺激を高頻度群と低頻度群に分けた.次に,プライミング語彙判断,プライミング校正,文中語彙判断,文中校正の4つの実験結果について,高頻度群と低頻度群の実験偽単語・統制偽単語に対する反応時間を比較した.
その結果,文中校正課題については,予測どおり,高頻度群において同音偽単語への反応が速かった.すなわち,照合する対象の語の頻度が高くて検索しやすいため,照合が速く,反応時間が短くなったと考えられる.プライミング校正課題については,有意差は見られず,特に高頻度群で同音偽単語に対する反応時間が短いという傾向もない.
本研究においては,文中で刺激が呈示された場合に,照合という処理過程を経て処理されると考えていた.したがって,プライミング校正課題においては,プライミング語彙判断と同様,高頻度群で,同音であることに惑わされやすく,反応時間が長くなると考えられた.

URL: 

Published: 2004-03-26   Modified: 2016-04-21  

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