1991 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアにおける食葉性テントウムシの進化生物学と個体群動態
Project/Area Number |
02041033
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
片倉 晴雄 北海道大学, 理学部, 助教授 (40113542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NOERDJITO W. ボゴール動物学博物館, インドネシア科学院生物学研究センター, 研究員
ABBAS I. アンダラス大学, 理学部, 講師
伊藤 文紀 北海道大学, 環境科学研究科, 学術振興会特別研究員
加藤 真 京都大学, 教養部, 助手 (80204494)
西田 隆義 京都大学, 農学部, 助手 (60208189)
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Keywords | インドネシア / 食葉性テントウムシ / スマトラ / ボゴ-ル / 個体群動態 / 昆虫生態学 / 進化生物学 / 害虫総合防除 |
Research Abstract |
1.食葉性テントウムシ類の種構成:(1)合計2属5種群にわたる24種の食葉性テントウムシを採集し,その打ち23種の食草を確認した。食草は様々な分類群にわたっていたが、同じ属、ないしは種群に属するテントウムシは、特定の科の植物のみを加害することが判った。(2)同一地域に生息するテントウムシは、しばしば著しい外見の類似を示し、ミュ-ラ-型擬態である可能性が示唆された。 2.室内実験:(1)ニジュウヤホシテントウはナス科作物の害虫であるが、昨年、本種とは形態的には全く区別できないがマメ科植物を食草としている個体群が発見された。食草選択実験と交配実験の結果から、この二つの系統は同胞種(形態的には区別できない別種)ではなく、ある程度遺伝的に分化しつつある同種内の生態品種であると推定された。(2)インドネシア産食葉性テントウムシ類は、雌の内部生殖器官、精子の移動方法、交尾時間によって3つのタイプに区別される事が判った。この発見によって,アジアの食葉性テントウムシの系統関係を新しい視点から検討することが可能となった。(3)3種のマダラテントウ類の生存ー繁殖スケジュ-ルを調査し、世代期間、純増殖率、内的自然増加率、繁殖価などの基本的なパラメ-タを算出した。 3.野外における個体群動態調査:ボゴ-ル植物園内に生息するEpilachna sp.3と、ニジュウヤホシテントウの個体群動態を、定期センサスによって調査した。平成2年11月から1年間に得られた、標識再捕獲法による成虫の個体数変動と、卵・幼虫期にたいして作成した生命表のデ-タを解析したところ、平成3年夏にインドネシアを襲った厳しい早魃(エル・ニ-ニョと関連があるとされている)に対応して、テントウムシ個体密度の著しい低下が起きていることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ito,F.: "Preliminary report on queenless reproduction in a primitive ponerine ant Amblyopone sp.(reclinata group) in West Java,Indonesia" Psyche.
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[Publications] Katakura,H.他: "Female internal reproductive systems of some Indonesian and Japanese epilachnine beetles" Jap.Jour.Entmol.
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[Publications] Katakura,H.他: "Convergent elytral patterns in epilachnine ladybird beetles of Mt.Gede,West Java,with descriptions of new species" Jour.Nat.Hist.
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[Publications] Nakamura,K.他: "Regional difference and seasonality of rainfall in Java,with special reference to Bogor" Tropics.
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[Publications] Nakamura,K.他: "Survivorship and fertility schedules of three epilachnine species under laboratory conditions in Bogor" Res.popul.Ecol.
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[Publications] Nakamura,K.他: "Seasonal fluctuation in population size and mortality of the phytophagous lady beetle,Epilachna emarginata" Res.Popul.Ecol.