1991 Fiscal Year Annual Research Report
バルチック盾状地失カンブリア界の地質学的同位体的研究
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02041036
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| Research Institution | Shinshu University, Department of Geology. |
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Principal Investigator |
黒田 吉益 信州大学, 理学部, 教授 (20015530)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 昌秀 ノルウェー極地研究所, 主任研究官
松尾 禎士 電気通信大学, 教授 (30015490)
丸山 孝彦 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (60006682)
石川 賢一 東北大学, 教養部, 助手 (20158744)
蟹沢 聰史 東北大学, 教養部, 教授 (70005784)
山口 佳昭 信州大学, 理学部, 助教授 (50144689)
山田 哲雄 信州大学, 理学部, 教授 (30020647)
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| Keywords | 花崗岩 / バルチック盾状地 / 水素同位体 / 角閃石 / 黒雲母 / 変動帯 / X_<Fe>(Fe / Fe+Mg) / 含水量 |
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| Research Abstract |
平成2年,7ー8月,主としてノルウェイ南部の8ー10億年前のスベコノルウエジアンの花崗岩質岩体(Lyngdal岩体他),及び南亜部のカレドニアン衝上帯に貫入している2,3の花崗岩質岩体,オスログラ-ベンの古生代の2,3のアルカリ岩体について,室内実験をした。それは全岩の化学分析と,角閃石,黒雲母,白雲母を分離し,それらのEPMAによる分析,とくにF,Clの含有量を明らかにした。さらにそれらの鉱物の含水量,そのδDの測定をした。その途中でノルウェイ極地研究所の太田昌秀博士を招へいして、その実験結果をノルウェイの地質学全体からみて,バルチック盾状地の中でどのような位置を占めているかを,スエ-デン、フィンランド地域の盾状地部分(研究実施は昭和61・62年,昭和63年,平成元年)と比較して明らかにした。
その結果,バルチック盾状地の西側の比較的若い(8ー10億年)花崗岩質岩石は、スエ-デン、フィンランドのものとくらべて、かなり異っていることが、判明した。すなわち、角閃石、黒雲母の含水量(OH)が最も少ないこと、その代りFが非常に多いこと(黒雲母の方が多い)、両鉱物とも(Fe/(Fe+Mg))が低いこと,δDが角閃石の方が高く黒雲母の方が低いということなど、たとえばラパキビ花崗岩とは全く違っていることも判明した。その理由は、フィンランド、スエ-デンの花崗岩類の解釈からは困難で今後の問題である。カレドニア衝上帯の花崗岩類は調査した岩体は少いが、日本列島の花崗岩と比較すると、とくに角閃石ー黒雲母の含水量δD、X_<Fe>,F等の特徴はそっくりである。つまり、これらは盾状地のもでなく変動帯のものであることが明らかになった。オスロ、グラ-ベンのものは複雑でまだ十分解析されておらず、今後の課題として残されている。
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[Publications] 黒田 吉益: "花崗岩火成作用の進化に対する水の役割" 地質学雑誌. 96. 775-786 (1990)
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[Publications] Kuroda,Y.,Yamada,T.Yoshinari,a.& Matsuo,S.: "Origin of fumarolic and magmatic water in an acid volcano,Yakedake,central Japan." Marumo,F.ed.,Dynamic Processes of Material Transport and Transformation in the Earth's Interio.409-419 (1990)
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[Publications] Kuroda,Y.,Matsuo,S.and Yamada,T.: "Origin and evolution of water in granitic intrusions." Marumo,F.ed.,Dynamic processes of Material Transport and Transformation in the Earth's Interior.421-432 (1990)
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[Publications] Kuroda,Y.,Sun Shihua,Matsuo,S.& Yamada,T.: "D/H study on lithium-bearing micas in the granitic masses from the southeastern part of China." Jour.Min.Petr.Econ.Geol.85. 223-228 (1990)
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[Publications] 蟹沢 聰史,吉田 武義,石川 賢一,黒田 吉益,山田 哲雄,森清 寿郎,丸山 孝彦,青木 謙一郎: "2・3のスウェ-デン原生代花崗岩類の微量成分についての予察的研究" 東北大学核理研 研究報告. 24. 312-329 (1991)
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[Publications] Kuroda,Y.,Yamada,T.Yamguchi,Y.& Matsuo,S.: "Crustal development in relation to granitic magmatism of D/H partition between coexisting hornblende and biotite in the Baltic shield."
