1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02041073
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 勝彦 日本工業大学, 工学部, 教授 (50049706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒津 高行 日本工業大学, 工学部, 教育技術員 (20215114)
波多野 純 日本工業大学, 工学部, 助教授 (40049721)
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Keywords | ネパ-ル / 文化財保存 / 僧院建築 / 解体調査 |
Research Abstract |
ネパ-ルは、南アジア建築の中でも独自の伝統的な建築物を多く残し、それらは世界の文化史上にも貴重な文化財とされるが、保存が充分ではない。この研究では、特に古代以来の平面を現在に残す貴重な存在でありながら、急激に失われてきている仏教僧院について、保存すべき対象を選定し、伝統的建造物を構築している技術を遺構を解体して具体的かつ詳細に記録し、明らかにした上で、保存対策を講じる。 対象としてはパタン市のI BAHA BAHIを選びその半分を、ネパ-ル政府考古局と共同で11月から1月にかけて解体し、遺構の調査を行なった。全体の復原計画には日本の文化庁がネパ-ル政府に技術協力し、解体はその指導を得て記録を取りながら、屋根・2階木部軸組・2階れんが壁・床組・1組木部軸組・1階れんが壁・基礎の順に着実に行ない、無事終了することができた。 解体の結果、建築の講法を知りえたのはもちろん、れんが積の手法から少なくとも3度の造替を遺構から読取ることができた。これを歴史史見の知的と照合し、遺構の年代を確定したい。また、崩れた部位の状況から構造の弱点を知り、復原保存の手がかりをえている。さらに、平面の設計概念を推察することが可能になった。 まだ調査を終えたばかりであり、復原案の基本設計は終えたが、研究発表は準備中である。
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