1991 Fiscal Year Annual Research Report
緑藻クラミドモナスの生物時計におけるCa^<2+>/カルモジュリンとNADキナ-ゼの役割
Project/Area Number |
02044009
|
Research Institution | Obihiro University of Agriculture & Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
後藤 健 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30186887)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑山 秀人 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (40125399)
CARRE/ISABEL イザベル ニューヨーク州立大学, 解剖学部, ポスドク
LAVALーMARTIN ダニエル アンジェ大学, 植物分子生物学部, 教授
JOHNSON Carl バンダービルト大学, 生物学部, 助教授
|
Keywords | Chlamydomonas reinhardtii / Euglena gracilis / 概日リズム / NAD^+キナ-ゼ / Ca^<2+> / カルモジュリン / 細胞分裂周期 / 光走性 / ビタミンC |
Research Abstract |
緑藻クラミドモナスの細胞分裂周期は、今までの通説と異なり、概日リズムの主な特徴を示すことに成功した。また、細胞分裂周期の速度と概日的細胞分裂周期リズムの速度には何の相関関係もないことを示すことにより、概日時計が細胞分裂周期を制御していることを明らかにした。一方、概日的光走性リズムに関する数種類の周期変異株は、夫々の光走性リズムの周期に一致した周期を概日的細胞分裂リズムについても示すことが明らかとなった。これにより、概日時計が細胞分裂周期を制御するという結論が更に支持され、また、光走性と細胞分裂周期が同一の概日時計の制御を受けていることも明らかとなった。また、antiーPSTAIRを用いてp34ーcdcキナ-ゼの活性変動を追ったが、クラミドモナスについてははっきりとした結果を得られなかった。しかしユ-グレナではG1/S転換期に最大となるような概日リズムを示すとの示唆的証拠を得た。一方、緑色鞭毛藻ユ-グレナのビタミンC濃度が概日リズムを示すことを明らかにした。また、この概日リズムは、概日的細胞分裂周期リズムによっても、或は概日的光合成リズムによっても生成されないことを明らかにした。ユ-グレナに於てビタミンCは酸素障害に対する防御に必須であることがわかっているので、この概日リズムの発見は、概日リズムの進化的役割を明らかにする上で重要である。最後に、ユ-グレナのNAD^+キナ-ゼを部分精製し、これに阻害的に作用する未知の因子を発見した。この因子は未同定であるが、カルモジュリンではないらしいことが示唆された。
|
Research Products
(10 results)
-
[Publications] 後藤 健: "代謝調査からみた生物時計の分子機構" 植物細胞工学. 3. 430-439 (1991)
-
[Publications] Goto,K.et al.: "Circadian rhythm in NAD kinase activity of Euglena gracilis" Plant Physiol.
-
[Publications] Johnson,C.H.et al.: "Circadian fhythm in NAD kinase activity of Chlamydomonas reinhardtii." Plant Physiol.
-
[Publications] Goto,K.: "An improvement of the method of NADP determination." Analytical Biochem.
-
[Publications] Goto,K.et al.: "The phase-shifting effects of Ca^<2+>/calmodulin inhibitors in circadian cell division cycle thythm of Euglena." J.Biol.Rhythm.
-
[Publications] Goto,K.et al.: "Circadian clock control over the cell division cycle in Chlamydomonas reinhardtii." Science.
-
[Publications] Laval-Martin,D.L.et al.: "Existence of an intracellular inhibitor of NAD kinase in Euglena gracilis ZC." Arch.Biochim.Biophys.
-
[Publications] Goto,K.et al.: "Circadian rhythm of the intracellular level of vitamin C in Euglena gracilis." Plant Physiol.
-
[Publications] 後藤 健: "時間生物学ハンドブック(高橋・千葉編集)" 朝倉書店, (1991)
-
[Publications] Johnson,C.H.et al.: "Circadian Clocks,From Cells to human (Hiroshige,T.& Honma,K.eds.)" Hokkaido UP,