1990 Fiscal Year Annual Research Report
地震時死傷者発生の予測・評価と低減に関する汎用モデルの構築
Project/Area Number |
02044043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 裕 東京大学, 地震研究所, 教授 (40012900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
POMONIS Anto ケンブリッジ大学, 建築学部, 助手
COBURN Andre ケンブリッジ大学, 建築学部, 助教授
SPENCE Robin ケンブリッジ大学, 建築学部, 教授
塩野 計司 東京都立大学, 工学部, 助手 (30128574)
望月 利男 東京都立大学, 都市研究センター, 教授 (80087270)
村上 ひとみ 北海道大学, 工学部, 助手 (10201807)
岡田 成幸 北海道大学, 工学部, 助教授 (50125291)
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Keywords | 地震防災 / 死傷者問題 / 現地調査 / 唐山地震 / アルメニア地震 / エルズルム地震 / 死傷者予測モデル / 死傷者低減戦略 |
Research Abstract |
本研究は、地震に伴う死傷者多発という、地震災害のうち最も悲惨な状況からの早期脱却への総合戦略モデルを構築することに主目的をおいている。すなわち、従来の研究が踏み込み得なかった建物の力学特性以外の諸要因に深く立ち入った形で、国内外の現地調査を行い、資料を収集し、死傷発生のメカニズムを解明する。次いで、これらをもとに国・地域を越えた汎用性の高い死傷者予測モデルを構成し、死傷者低減への科学性の高いストラテジ-を提示する。以上を、日ー英間国際共同研究として実施する。この目的達成のための初年度として、本年度は1)英国ケンブリジ大学との共同研究に関する全般的かつ詳細にわたる活議、2)中国、唐山地震・ソ連、アルメニア地震・トルコ、エルズルム地震を対象とする現地資料調査をほぼ予定通りに実施した。現在は現地調査に伴う資料の整理・解析を続ける一方、併行して汎用モデルの概念構成に関する作業が代表者を中心に鋭意進行中である。 この研究の途上、新たに得られた知見には少なからざるものがある。中でも特筆すべきは、a)現地調査を通じて汎用モデルに関わるであろう重要因子のいくつかを新たに発掘し得たこと、b)モデルの組み立てに際して死傷者発生に至る全過程を地震に伴う〔住民の(即時的閉じ込めー死傷の発生ー状態悪化〕に至る時系列過程と捉え、他方これに〔救出活動〕が防災力として作用するものとして扱うことによって、既存の死傷者予測式を越えた構成式の実現が可能となること、以上の研究を通じてc)汎用モデル構築の具体的な方針が確立できたことなどである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 太田 裕: "20世紀における地震被害の概観" 日本国内シンポ論文集. 8. 37-42 (1990)
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[Publications] 太田 裕: "人災を中心とする20世紀における地震被害の概観" 地震学会予稿集. 2. 45 (1991)
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[Publications] 塩野 計司: "フェイド=アウエイファンクションー倒壊した建物のなかに閉じ込められた人々の状態表示ー" 地震学会予稿集. 2. 46 (1991)
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[Publications] 村上 ひとみ: "1988年アルメニア地震の人的被害分布に関する再検討"