1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02044067
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥山 剛 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00023482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HASSLER Curt ウェストバージニア州立大学, 林学部, 助教授
ARCHER Rober マサチューセッツ州立大学, 工学部, 教授
山本 浩之 名古屋大学, 農学部, 助手 (50210555)
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Keywords | 成長応力 / ミクロフィブリル / リグニン / ミクロフィブリル傾角 / 圧縮あて材 / 引張あて材 / イエロ-ポプラ / 樹木 |
Research Abstract |
本共同研究は3年計画である。平成2年度は研究初年度にあたり予備調査として、マサチュ-セッツ大学とウエストバ-ジニア大学を訪問し、これまでの研究の討論とこれからの研究の打ち合せ、本測定のための試験樹木の選定などを行った。 1.樹木の成長応力の発生機構に対する仮説として、リグニン膨潤説とミクロフィブリル収縮説とがある。これらが、成長応力の発生にどう関与するかが多くの研究者の議論の対象とされてきて、いまだに結論が得られていない。 本研究代表者らは、成長応力の精密な測定結果と、リグニン量、ミクロフィブリル傾角、細胞壁面積率、セルロ-ス量など定量結果の対応から、圧縮あて材部ではミクロフィブリル関隙へのリグニン充填が、また正常材部や引張あて材部ではミクロフィブリルの縦方向への収縮が成長応力の発生を支配していることを明らかにした。一方、共同研究者であるマサチュ-セッツ大学ア-チャ-教授は、われわれの測定結果をもとにモデル解析を行い、上述と同様な結論を得た。さらに、この結論にもとづいて、特殊な引張あて材を有する樹木についての成長応力の解析を行うためウエストバ-ジニア大学の広葉樹センタ-実験林で対象樹木の選定を行った。 2.ウエストバ-ジニア大学、ハッスラ-教授の案内によって測定樹木の選定を行った。今回の研究目的に合致する試験木としてつぎの樹木を選んだ。イエロ-ポプラ4本、レッドメ-ブル、レッドオ-ク、ブラックチェリ-、キュ-カンバ-ツリ-、サッサフラス各一本の合計9本。いずれも樹幹周囲長45〜100cmのものである。 3.カナダで開催されたIUFRO国際会議に出席し、フランスの研究者等と本研究について討論した。
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[Publications] 吉田 正人、奥山 剛,山本 浩之: "Tree Forms and Intrnal Stresses I." 木材学会誌. 37(4). 1-8 (1991)
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[Publications] 山本 浩之,奥山 剛,吉田 正人,杉山 賢治: "Generation Process of Grouth Stresses in cell walls III." 木材学会誌. 37(2). 94-100 (1991)
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[Publications] 奥山 剛,山本 浩之,井口 真輝、吉田 正人: "Generation Process of Grouth Stresses in cell Walls II." 木材学会誌. 36(10). 797-803 (1990)