1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02044067
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥山 剛 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00023482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HASSLER Curt ウェストバージニア州立大学, 林学部, 助教授
ARCHER Rober マサチューセッツ州立大学, 工学部, 教授
山本 浩之 名古屋大学, 農学部, 助手 (50210555)
服部 芳明 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80180909)
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Keywords | 成長応力 / ミクロフィブリル傾角 / 結晶化度 / イエロ-ポプラ / 解放ひずみ / リグニン / セルロ-ス / ゼラチン繊維 |
Research Abstract |
あて材を含む広葉樹の成長応力を測定し、その分布と組織構造因子であるミクロフィブリル傾角(MFA)、結晶化度、ゼラチン層面積率、主要化学成分であるαセルロ-ス、リグニン量などとの関係を明確に対照測定した。その結果から樹木の成長応力の発生機構を説明した。 今回測定した樹木は、アメリカ・アパラチア山系のイエロ-ポプラ、ブラックロ-カスト、レッドオ-ク、ブラックチェリ-、サッサフラスなど7樹種である。そのえち、イエロ-ポプラはそのあて材部にゼラチン繊維をもたなくて大きな引張の成長応力を発生する樹種である。その結果を要約すればつぎのとおりである。 1.ブラックロ-カストにおいて0.5%もの縮みの解放ひずみが測定された。また、ゼラチン層の占有面積率の大きい部分で大きな引張の成長応力を発現している。これは、ゼラチン層自体が軸方向に大きな引張応力を発生させていることを示す。 2.イエロ-ポプラでは、(1)MFAが小さい程大、αセルロ-スの比率が大きいほど、結晶化度が大きいほど大きな引張応力を発生する。(2)リグニン量と引張の成長応力とは相関はないか、リグニン量が少ないほどわずかに引張応力が大きくなる。 以上の測定結果は、成長応力の発生にミクロフィブリルの積極的な寄与を示唆するものである。すなわち、細胞壁の成熟過程において、ミクロフィブリルはその軸方向に縮もうとするが、お互いに拘束されるために引張応力が生じると考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Yoshida,T.Okuyama and H.Yamamoto: "Tree Forms and Internal Stresses I." 木材学会誌. 37. 283-290 (1991)
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[Publications] T.Okuyama and H.Yamamoto: "Residual Stresses in Living Tree" Proc.of the 3rd International Conference on Residual Stresses. 6 (1991)
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[Publications] H.Yamamoto,T.Okuyama K.Sugiyama and M.Yoshida: "Generation Process of Growth Stresses in Cell Walls IV." 木材学会誌. 38. 107-113 (1992)
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[Publications] K.Sugiyama,T.Okuyama H.Yamamoto and M.Yoshida: "Generation Process of Growth Stresses in Cell Walls" Wood Sci.and Techn.
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[Publications] M.Yoshida,T.Okuyama H.Yamamoto: "Tree Forms and Internal Stresses II." 木材学会誌.
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[Publications] M.Yoshida,T.Okuyama H.Yamamoto: "Tree Forms and Internal Stresses III" 木材学会誌.