1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02044078
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
廣田 勇 京都大学, 理学部, 教授 (70025485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RANDEL Willi 米国大気科学センター, 大気化学部・大気モデリング課, 研究員
BOVILLE Byro 米国大気科学センター, 気候および全球力学部・気候モデル課, 副課長
BRASSEUR Guy 米国大気科学センター, 大気化学部・大気モデリング課, 課長
GILLE John C 米国大気科学センター, 大気化学部・全球・遠隔観測課, 課長
神沢 博 国立極地研究所, 資料系, 助手 (20150047)
塩谷 雅人 京都大学, 理学部, 助手 (50192604)
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Keywords | 成層圏オゾン / SBUVデ-タ / TOMSデ-タ / 赤道ケルビン波 / 半年周期振動 / 準2年周期振動 / ENSOサイクル |
Research Abstract |
本研究は,TOMS(Total Ozone Mapping Spectrometer)デ-タを用い,経度方向の構造に注意しながら赤道域オゾン全量の長周期変動について解析した.この解析では,1979年から1989年の11年間にわたるデ-タを用いた.まず,月平均したデ-タにもとづく赤道上におけるオゾン全量の時間・経度断面について調べたところ,赤道域においてはオゾン全量が東西波数1の構造を持ちながら1年周期で変動しているのがわかった.オゾン全量が最小となる領域はちょうど積雲活動が活発な領域と対応しており、対流圏界面高度がそこで高くなっていることによってオゾン全量が最小となっていると考えられる.上述したように赤道域においては1年周期の変動が顕著であるが,さらに2ー3年周期のモジュレ-ションを受けている.11年間の平均として定義したクライマトロジカルな年変動を差し引いてやると,経度方向に一様性の強い準2年周期の変動が見られる.これは下部成層圏で見られる東西風の準2年周期変動と力学的に密接に関連している.クライマトロジカルな年変動を差し引いたデ-タからさらに帯状平均を引いて経度方向の偏差に注目すると,日付変更線付近に節を持ち,時間スケ-ルが約4年程度の東西変動が見られる.これはエルニ-ニョ・南方振動(ENSO)サイクルと関連しており,エルニ-ニョ時(1982ー83,1986ー87)には偏差が日付変更線の西側で+,東側でーとなる.これは,エルニ-ニョ時に東太平洋の海水温上昇にともなって積雲活動域,ひいては上昇流域が東偏し,これにともなって対流圏界面高度が相対的に東太平洋域で上昇,西太平洋域で下降し,結果的にオゾン全量が東太平洋域でー,西太平洋域で+の偏差をもつものと考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] I.Hirota: "Kelvin waves near the Equatorial Stratopause as seen in SBUV Ozone data" J.Meteor.Soc.Japan. 69. 179-186 (1991)
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[Publications] M.Shiotani: "Annual,Quasi-biennial and ENSO time-scale Variations in Equatorial Total Ozone" J.Geophy.Res.97. (1992)