1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02044084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅田 浩二 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50027182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HEBER Ulrich Lehlstuhl fur Botanik I, Universitat Wur, 教授
SCHREIBER Ul Lehlstuhl fur Botanik I, Universitat Wur, 教授
遠藤 剛 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (90201962)
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Keywords | 螢光 / P700 / アスコルビン酸ペルオキシダ-ゼ / 酸素吸収 / プラストキノン / 陽葉植物 / 陰葉植物 / 過酸化水素 |
Research Abstract |
炭酸固定系を阻害した葉緑体では酸素が光還元され、生成した過酸化水素は、電子伝達と共役したアスコルビン酸ペルオキシダ-ゼ、モノデヒドロアスコルビン酸還元酵素によりさらに光還元され水が生成する。この際Mehler反応(酸素吸収)と水分解反応(酸素発生)が同時に起こるため見かけ上酸素濃度の変化はない。Iodoacetoamideまたはglyceraldehydeにより炭酸固定を阻害し、さらにKCNによりアスコルビン酸ペルオキシダ-ゼを阻害したホウレンソウ無傷葉緑体では、酸素の吸収がみられた。この場合のKCNの効果はカタラ-ゼおよびプラストシアニンの阻害によるものではないことを確認した。またKCNによる酸素吸収とともに、螢光のphotochemicalおよびNomーphotochemical quenchingが低下した。酸素吸収とphotochemical quenchingの低下は、アスコルビン酸ペルオキシダ-ゼ阻害による1)電子伝達活性全体の低下に伴う酸素発生の低下、または2)還元された電子伝達鎖によるMehler反応の促進に由来すると考えられる。Non photochemical quenchingの低下は、アスコルビン酸ペルオキシダ-ゼ阻害による膜電位形成の低下を示し、過酸化水素の光還元系が膜電位形成の制御に機能し得ることが明らかになった。 生葉で光化学系IーII間に電子を供与できるプ-ルサイズをP700の酸化還元から測定した。赤外光を照射しつつ白色光〔AL〕照射を行い、ALをOFFにした後の酸化速度(AL)と50mS閃光照射後の再酸化速度(AL)を測定した。(MT)はプラストキノンプ-ルサイズを示すので(AL)/(MT)は、ALによって生じたP700に電子を供与できるプ-ルサイズを示す。(AL)/(MT)はAL照度の増加とともに高くなり陽葉植物では2.7〜2.9、陰葉植物では2〜2.2となった。また嫌気条件で高かった。(AL)/(MT)値はフェレドキシン以外にNAD(P)Hなどが系IIーI間に電子を供与できるプ-ルとなることを示す。
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[Publications] Kozi Asada: "Methyl ViologenーDependent Cyclic Electron Transport in Spinach Chloroplasts in the Absence of Oxygen" Plant and Cell Physiology. 31. 557-564 (1990)
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[Publications] Ulrich Schreiber: "Membrane Energization Induced by MehlerーPeroxidose Reaction in Intact Chlorplasts from Spinoch."
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[Publications] Kozi Asada: "Pool size of Electrons Donatable to P700 Stored by Actinic Illumination in Intact Leaves:Donation to P700 from Stromal Componeuts."