1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02044085
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 正之 京都大学, 医学部, 教授 (00025579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姚 益民 化学工業総公司, 職業病治研究所, 副所長
蔡 世雄 労働衛生職業病研究所, 教授
金 淬 労働衛生職業病研究所, 副所長
劉 世傑 北京医科大学, 教授
河合 俊夫 中央労働災害防止協会, 大阪センター・分析室, 室長
竹内 康浩 名古屋大学, 医学部, 教授 (90022805)
中塚 晴夫 東北大学, 医学部, 助手 (70164225)
渡辺 孝男 宮城教育大学, 教授 (20004608)
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Keywords | キシレン / 自覚症状 / 中枢神経系抑制作用 / 局所刺激作用 / 血液学的所見 / 血清生化学的所見 |
Research Abstract |
1991年5月に行なわれた北京市内での調査はゴム靴製造工場であって、ゴム靴を構成する靴底・甲皮・踵部などの各部品を相互に接着する工程でゴム表面を一時的に軟化させるのにもキシレンが用いられていたが、この工程での曝露は小さいものと思われた。しかし最終段階で製品をその上縁近くまでキシレン等の溶剤中に漬け、表面に輝きをもたせる工程があり、この工程の一部はキシレン以外の溶剤を用い、また一部はすでに機械化されて労働者の直接的な曝露は無いが、残る部分ではなおキシレンに手を用いて漬ける作業が行なわれており、この作業に伴う曝露は大きいと推定された。解析にはこれらの調査成績と合わせて、これ以前に塗料製造工場・印刷工場などの調査時に得られたキシレン曝露者例も合わせて用いた。調査項目は(1)活性炭使用拡散型サンプラ-を用いての1日時間荷重平均値の測定(2)キシレンの尿中代謝物であるo^ー,m^ー,p^ーメチル馬尿酸を液体クロマトにより分離・定量、(3)血液学的検査および血液生化学的検査、(4)自覚症状調査および(5)必要に応じて診察を行なった。調査人数は曝露者・非曝露対照者を合わせて各年度500名以上、過去の事例約200例を合わせると1200名以上に達した。所見のうちで最も注目されることは自覚症状の多発であって、気中キシレン濃度(3異性体の合計)が最高40ppm程度であるにもかかわらず、作業中の症状12項目(第1群)については男女とも曝露群での頻度(18.8%)は対照群での頻度(3.9%)に比して有意に(p<0.01)高く、また最近3ヵ月間にみられた症状59項目(第2群)についても曝露群での頻度(13.9%)は対照群での頻度(6.7%)に比して高率であった。末梢血液像・血清生化学所見には特にキシレン曝露に由来すると思われる所見は無く、既報の所見と一致していた。
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Research Products
(1 results)