Research Abstract |
本研究は,先進6ヶ国(日本,西ドイツ,イギリス,フランス,アメリカ,カナダ)における情報通信分野の諸産業の生産性の変化を実証的に研究することを目的とするものである。本年度においては,下記のように研究を進行させた。 情報通信諸産業の生産性分析: a)計画と準備:年度当初において研究代表者と主要分担者(Muller)との間で協議し,分析方法,分析対象とする産業の範囲および分析対象年次を決定し,収集予定の統計デ-タ項目(収支,生産,要素投入,投資,研究開発などを含む)を選定した。 b)情報通信諸産業のデ-タの収集:日本,アメリカ,カナダ,ドイツの電気通信産業についてデ-タを収集した。下記により分担して収集した:日本(栗山),ドイツ(Muller),米国(Stevenson),カナダ(Oum)。なお,イギリス・フランスについては,当該国に協力者を求めてデ-タを収集中である。収集されたデ-タ,代表者鬼木(大阪大学社会経済研究所)に集中し,同研究所計算機パ-ソナルコンピュタに入力した。 c)情報通信諸産業の生産性指数の計算:上記のうち,日本,アメリカ,カナダ3国の電気通信産業について,1960年代より現在に到るまでの総生産指数を計算した。 d)計算結果の検討:年度中研究代表者,および分担者のうち栗山,Oum,Stevensonが個別に会合し,生産性分析の結果を検討した。予備的な結論として、(i)日本については1985年のNTTの民営化,電気通信産業の自由化後総生産性が上昇し,(ii)またアメリカについては,1984年のAT&Tの分割後,同様の傾向が見られたことが明らかになった。
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