1991 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性侏儒症ラットにおける成長ホルモン遺伝子の発現異常に関する研究
Project/Area Number |
02044118
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Research Institution | Miyazami Medical College |
Principal Investigator |
片上 秀喜 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (50204417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大熊 新一 森下製菓(株), 薬理研究所, 室長代理
松倉 茂 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (70030939)
加藤 幸雄 群馬大学, 内分泌研究所・ホルモン測定センター, 助教授 (30114177)
KELLY Mayo ノースウェスタン大学, 生化学(アメリカ合衆国), 準教授
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Keywords | 遺伝性侏儒症ラット / 成長ホルモン単独欠損症 / 成長ホルモン点突然変異 / 午長ホルモン促進因子 / ソマトスタチン / ヒトGRF / GH遺伝子導入 / ヒトGRF高感度EIA |
Research Abstract |
平成2年度末までに、本邦独自の遺伝性侏儒症ラットの成長障害の成因としてGH GH遺伝子のうち第3イントロンと第4エキソンの接合部において、GuanineがAdenineに点突然変異を生じていた。その結果、GH mRNAのスプライシング異常がおこり、frame shiftの結果生ずるGH分子は生物活性ならびに免疫活性を失ったものと推定された。 しかし、これ以外の、複数の点突然変異が生じている可能性があり、平成3年度にさらに詳細に検討した。その1つは、PCR法により、ラット成長ホルモン遺伝子の第5エクソン部に別の新たな点突然変異がみいだされた(Katakami et al in preparation)。その結果、予想されるGH分子はnative rat GHとは3次元構造が異なり、免疫原性ならびに生物活性の無いものであることが予想された。 さらに、本症ラットにおける成長障害が、正常ヒトGH/GRF遺伝子の導入治療により矯正される可能性を検討した。即ち、transgenic ratを作成するために必要な、マウスmetallothionein promotorに結合したヒトgenomic GH/GRF遺伝子を共同研究者Mayo博士の協力を得て調製した。また、ヒトGH/GRFーtransgenic ratのスクリ-ニングとして、ラット血中のヒトGH/GRF蛋白質を測定する高感度EIA法を確立した(Hidaka et al,Clinical Chemistry and Enzymology Communications,in press;JCEM submitted for publication)。また、当大学動物センタ-にて遺伝子導入ラット作成・飼育に関する文部大臣の許可を得た(文学助第53号)ので、本症ラット受精卵に正常のヒトGH/GRF遺伝子を注入する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Katakami et al: "Inhibition by somatostatin of growth hormone-releasing factor gene expression in the hypothalamic arcuate nucleus." Endocrinology. 128. A1608 (1991)
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[Publications] Hidaka et al: "Sensitive sandwich enzyme immunoassay for human growth hormone-releasing hormone in plasma" Clinical Chemistry and Enzymology Communications.