1990 Fiscal Year Annual Research Report
結晶構造に基ずくチトクロム酸化酵素の反応機構の研究
Project/Area Number |
02044126
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉川 信也 姫路工業大学, 理学部, 教授 (40068119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAUGHEY Wins コロラド州立大学, 生化学科, 教授
POYTON Rober コロラド大学, 分子生物学科, 教授
月原 富武 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00032277)
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Keywords | チトクロム酸化酵素 / 膜タンパク質 / ミトコンドリア呼吸鎖 / 結晶化 / x線結晶解析 / 赤外吸収 |
Research Abstract |
我々は最近、ウシ心筋チトクロム酸化酵素の結晶化に成功し8A分解能であるがX線回折像も得た。しかし、活性中心の立体構造を知るためには分解能が不十分であるので、結晶化条件を再検討し精密化を試みている。単分散の界面性剤である、BL8SY(CH_3(CH_2)_<11>ー(OCH_2CH_2)_8ーOH),存在下で硫安を沈澱剤として得られる結晶で5A分解能のX線回折を確認した。一方、分解能の向上をはかるための試みの一つとして、還元型及びCO結合型の結晶化を試みた。酸化型と同様の条件で結晶化に成功したが、分解能の向上は見られなかった。しかし、空間群、格子定数ともに酸化型と全く一致した。したがって、酸化還元、配位子結合による立体構造変化はあるとしても非常に小さいと考えられる。位相決定のために、重原子誘導体化結晶を作ることを種々の条件で試みているがまだ成功していない。そこで電子線回折の結果を初期値とした分子置換法による位相決定を行い、10A分解能程度の電子密度図を得ている。そこにはチトクロムcの結合部位と推定できる構造が認められた。現在、さらに精密化を進めている。 一方、コウボチトクロム酸化酵素の精製結晶化及びCO結合型酵素結晶の遍光赤外分光測定実験の打ち合せのため吉川をボ-ルダ-とフォ-トコリンズへ派遣した。そして、当初はPoytonが精製標品を日本へ空輸し、吉川が結晶化条件の検討を行なうが、それと平行して吉川の研究室でも精製ができるように研究室を整備し共同研究の効率を高めることの合意が得られた。なお、CO結合型微結晶の赤外吸収を測定した。CO伸縮振動スペクトルは溶液中の酵素のそれと明らかに吸収極大位置は異なるが、その差は極めて小さく、半値幅も同様に短かかった。このことはCO結合部位の構造が非常にrigidであることを示唆している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yoshikawa,S.,ShinzawaーIto,K.,Tsukihara,T.,Abe,T.,and Caughey,W.S.: "Crystallization of Beef Heart Cytochrome c Oxidase." J.Cryst.Growth.(1991)
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[Publications] Tsukihara,T.,Abe,T.,ShinzawaーIto,K.,Ueda,H.,Yoshikawa,S.,and Caughey,: "TwoーFold Symmetry in Crystalline Bovine Heart Cytochrome c Oxidase." J.Mol.Biol.(1991)
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[Publications] Ogura,T.,Takahashi,S.,ShinzawaーIto,K., Yoshikawa,S.,and Kitagawa,T.: "Observation of the Fe^<4+>=0 Stretching Raman Band for Cytochrome Oxidase Compound B at Ambient Temperature." J.Biol.Chem.265. 14721-14723 (1990)
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[Publications] Ogura,T.,Takahashi,S.,ShinzawaーIto,K.,Yoshikawa,S.,and Kitagawa,T.: "Observation of the Fe^<11>ー0_2 Stretching Raman Band for Cytochrome Oxidase Compound A at Ambient Temperature." J.Am.Chem.Soc.112. 5630-5631 (1990)
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[Publications] Yoshikawa,S.,and Caugehy,W.S.: "Infrared Evidence of Cyanide Binding to Iron and Copper Sites in Bovine Heart Cytochrome c Oxidase.Implications regarding Oxygen Reduction." J.Biol.Chem.265. 7945-7958 (1990)