1990 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト精漿中の精子運動抑制因子の基礎的及び臨床的研究
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02044143
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
岩本 晃明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (60046117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WHITE Daniel McGill University Director, Urolgoy Resea, Technical
LAMIRANDE Ev McGill Univrsity Director, Urology Resear, Associate
GAGNON Claud McGill University Director, Urology Resea, Director P
橋崎 和子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (70113016)
田中 宏樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (00217069)
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Keywords | 精子運動抑制因子 / 精漿 / 精子 / 男子不妊症 / 精子無力症 |
Research Abstract |
1.共同研究者の田中は、現在McGill大学においてヒト精子運動抑制因子(Seminal plasma motility inhibitor以下SPMI)の精製分離を行っている。岩本・Gagnonが当初発表した方法では精製過程のハイドロキシルアパタイトの吸着性が悪いことが判明し、HPLCを使用して検討中で平成3年度も引き続き研究を続ける。2.ヒトSPMIの局在を剖検より得られた精嚢液、前立腺液そして精嚢、前立腺、精巣、精巣上体の組織抽出液を用いて調べた。SPMIの検出を(1)double immuno diffusion test(2)ELISA、(3)biological assayにて行った。(1)にて精嚢にバンドを認めた。(2)による分泌液の平均SPMI濃度(μg antig en/ml)は精嚢液29.5、前立腺液0.89、精漿19.1で組織抽出液では精嚢0.5前立腺0.39、精巣0.53、精巣上体0.5であった。(3)でのbiological activity(U/ml)は精嚢600、精漿44、他の分泌液及び組織抽出液は2.5以下であった。以上の結果からSPMIは精嚢より分泌されることが明らかとなった。また精嚢ではSPMI活性が高いが射出された精漿では理論上よりかなり活性が低下していることが判り、これは精嚢液が射出される間に他の副性器分泌液と混じり、何等かの影響を受け精漿中のSPMI活性が低下したものと考えられた。3.私たちはヒトSPMIだけでなく1回の射出量が多くかつSPMI濃度が高いブタ精漿からもSPMIの精製分離を行っており精製過程及び性質について明らかにした。SPMIの分子量はヒトでは18ー22Kで1つのポリペプチドからなり、ブタでは50Kで3つのポリペプチドからなっている。両SPMIの物理化学的性質は似ている。4.ブタSPMI抗体を用いて免疫組織学的にSPMIの局在を検討したところ、光顕レベルで精嚢上皮に染まった。電顕レベルでは精嚢上皮の微械毛表面に限局して観察されSPMIは膜蛋白であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Iwamoto,C.Gagnon et al: "Purification and Characterization of a sperm motility inhibitor from boar seminal plasma." Biology of Reproduction.
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[Publications] M.Luterman,T.Iwamoto C.Gagnon: "Origin of the human seminal plasma motility inhibitor within the reproductive tract." J.Andrology.
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[Publications] T.Iwamoto,C.Gagnon et al: "Control of Sperm motility:Biological and clinical aspects Chapter 20" CRC Press, 339 (331-)