1990 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導スペクトロメ-タ-を用いた高エネルギ-宇宙粒子線観測計画
Project/Area Number |
02044151
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
山本 明 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (30113418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ジョーンズ バーノン NASA本部, 教授
キンベル バーバラ ニューメキシコ州立大学, 電気工学部, 助教授
ゴールデン ロバート ニューメキシコ州立大学, 電気工学部, 教授
折戸 周治 東京大学, 理学部・物理学教室, 教授 (10092173)
井森 正敏 東京大学, 理学部・物理学教室, 助手 (70011690)
野崎 光昭 東京大学, 理学部・物理学教室, 助手 (10156193)
東 保男 高エネルギー物理学研究所, 工作センター, 助手 (70208742)
槙田 康博 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (30199658)
春山 富義 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (90181031)
稲葉 進 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (10013434)
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Keywords | 超伝導 / スペクトロメ-タ- / 反物質 / 宇宙起源 / 宇宙線 / 高エネルギ-物理学 / 宇宙物理学 / 気球 |
Research Abstract |
本研究では、大型の超伝導スペクトロメ-タ-(超伝導電磁石をコアとした粒子線測定器)を大気球により飛翔し、特に「宇宙起源反物質探索」重点課題とした、高エネルギ-宇宙粒子線の観測を計画している。本年度の研究では、3年度に亘る全体計画の中の初年度として、以下の項目に重点をおき研究を推進した。 1)超伝導スペクトロメ-タ-の気球飛翔実験に向けた測定器システムの組立・準備、及び粒子加速器ビ-ムを用いた測定器の調整及び較正実験。 2)超伝導スペクトロメ-タ-の気球飛翔実験環境・模擬実験。特に超伝導電磁石による強磁場下でのテレメトリ-システム等の動作検証及び磁場対策。 3)気球飛翔実験サイト(カナダ・マニトバ州・リンレ-ク)の現地調査及び予備実験。 測定器の準備は順調に進み、平成2年12月よりビ-ム実験に入る事が出来た。その結果、測定器としての基本性能(1テラスの磁場の永久電流モ-ドによる保持、及び磁場中での粒子飛跡検出器の動作、分解能の測定等)を確認するところまで到達する事が出来た。また。NASA/NSBF(National Science Balloon Facility)より専門家を高エネルギ-研に招へいし、強磁場下での無線通信機器の動作検証および磁場対策についての基礎実験をおこなった。気球実験において無線機器の完全・確実な動作は安全面からも非常に重要な項目であり、この基礎実験によって得られたデ-タは、本年度の重要な成果の一つとなった。 これらの基礎的な実験準備と並行して、平成3年度に予定している気球飛翔本実験にむけ、飛翔実験サイト予定地であるカナダ・リンレ-クに研究者を派遣し、周辺の現地調査を行った。現地では、飛翔に向けた測定器の搬送時にかかる衝撃等を模擬実験によって測定し、貴重な基礎デ-タを収集することが出来た。また現地での関係機関との協議を重ね、来年度の現地での滞在、研究活動に必要な物質、環境の整備について、見通しを立てる事が出来た。 本年度の研究計画は、平成3年度に於ける気球本実験にむけた準備研究であったが、本学術研究・共同研究のサポ-トを得て、本年度の研究目標を達成し、所定の成果をあげる事が出来た。
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[Publications] A.Yamamoto(editor): "Proceedings of the 2nd Workshop on Balloon Borne Experiment with Superconducting Spectrometer" KEK Report. 1-20 (1991)
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[Publications] 山本 明: "研究報告 飛翔体による宇宙線観測の為の超伝導スペクトロメ-タ-の開発" ICRRニュ-ス. NO.7. 1-4 (1990)