Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 安東 沈〓化工学院, 講師
丁 峻峰 沈〓化工学院, 副教授
夏 心泉 沈〓化工学院, 副教授
李 洙天 沈〓化工学院, 教授
黒田 真一 群馬大学, 工学部, 助手 (60205250)
小林 正道 群馬大学, 工学部, 講師 (60008448)
矢野 由美彦 群馬大学, 工学部, 教授 (30008510)
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Research Abstract |
1. 研究者の交流 研究分担者である矢野と小林の両名が,平成2年10月4日〜9日に訪中し,共同研究試料を中国側に提供し,共同研究の実施細目について打ち合せた.なお,中国側の研究分担者の来日は,本年度は先方の都合により実現しなかった。 2. 屋外暴露試験 代表的な光崩壊性高分子であるエチレン・一酸化炭素共重合体(E/CO)のフィルム試料(カルボニル基濃度,フィルム厚の異なる 6種類)と低密度ポリエチレン(LDPE)のフィルム試料(フィルム厚の異なる3種類)について,自然環境(気温,日照量など)の異なる日本国内の3地点(札幌,銚子,那覇)と中国国内の3地点(瀋陽,青島,鄭州)において,1〜30日間の屋外暴露試験を行った。 3.エチレン・一酸化炭素共重合体の光劣化 各暴露試料について,赤外および紫外・可視スペクトル,力学物性,粘度,密度,X線回折などの測定を行い,E/COの光劣化に及ぼすカルボニル基濃度,フィルム厚の効果を明らかにした.比粘度は,暴露初期に大きく減少し,主鎖切断による分子量の低下が顕著である.また,赤外スペクトルの測定から,ケトン基の減少と末端二重結合の生成は,暴露初期に顕著であった.E/COの光分解はカルボニル基が開始店となり,主としてNorrish II型反応で始まることが確認できた。斜方晶ポリエチレン型単位格子のa軸の長さは暴露により余り変化しないが,b軸の長さは暴露初期に増大し,その後減少に転じるという興味深い実験事実が見いだされたが,これの解釈については検討中である.E/COは,カルボニル基濃度0.9%でも僅か1日の暴露でかなり劣化するので,屋外で使用する場合,カルボニル濃度を余り大きくする必要はない.
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