1992 Fiscal Year Annual Research Report
ニュートリノ振動によるタウニュートリノの質量の測定
Project/Area Number |
02102003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹羽 公雄 名古屋大学, 理学部, 助教授 (60113445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹生 潔 名古屋大学, 名誉教授 (50013363)
中村 光廣 名古屋大学, 理学部, 助手 (90183889)
星野 香 名古屋大学, 理学部, 助手 (70022738)
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Keywords | ニュートリノ振動 / ニュートリノ質量 / タウニュートリノ / ダークマター / エマルション / シンチレーションファイバー / 素粒子実験 |
Research Abstract |
ニュートリノの質量を求める特別推進研究を始めて3年目がすぎた。1994年4月からのニュートリノビームの照射開始まであと1年。エマルションとシンチレーションファイバーの複合構造の検出器の建設の半ばである。写真乳剤約1トンのハンドリングと2年間あいだの感度劣化の防止、3000Kmのシンチレーションファイバーの組立と2年間のあいだの感度劣化の防止、及び10cm口径イメージインテンシファイアー(50本以上)の実効光検出率15%以上(従来品は10%以下)の確保。何れも世界で誰も未経験の技術であったが、全てクリアーして順調に建設が進んでいる。実験当初考えた検出器の性能は十分なものが出来つつあり、このまま完成させれば、本研究の到達目標であるミューニュートリノからタウニュートリノへの混合角で1%まで、タウニュートリノ質量で0.3eV/c^2以内の検出感度が技術的には満たされる検出器が組み立てられることが確実になった。 本年度は検出器をスイスのCERN研究所に運び、最終的に組み立てる作業を行う。さらに“エマルション自動解析装置"の大幅な改造を行って1994年4月からのニュートリノビームの照射がはじまり次第始まるエマルションの解析に備える。 部品調達メーカーの一部変更(DEP社から浜松ホトニクス社)と予定を超える技術的改良を余儀なくされたことに伴って。大きな出費がかさみ関係者に迷惑をかけている。しかしこの間に得たシンチレーションファイバーの厳密な組立方法とファバー自身の品質改良の成果、イメージインテンシファイアーを高い光検出効率にした技術成果、何れもこの分野に限らず幅広く活用されよう。 ニュートリノの質量についての学問的重要性は益々高まってきており実験当初の計画どうりの実験感度を保ってこの研究を完了させたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Aoki: "The observation of the muonic decay Ds→μν" Prog.Theor.Phys.89. 131-138 (1993)
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[Publications] S.Aoki: "Charm production by 350 Gev/C π^-interactions in nuclear emulsion" Prog.Theor.Phys.87. 1305-1313 (1992)
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[Publications] S.Aoki: "Hodroproductin of DD pairs in the interaction of 350 Gev/c π^-meson with nuclei" Prog.Theor.Phys.87. 1315-1322 (1992)
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[Publications] K.Kodama: "Measurement of the dranching ratio for D^+→K^*(892)^0μ^+ν" Physics Letters B. 286. 187-194 (1992)
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[Publications] K.Teraoka: "Radiation damage test of position sensitive silicon detecters" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A. 324. 276-283 (1993)
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[Publications] T.Nakano: "Research and development of scintillating fider tracker for ν→ν oscillation experiment" IEEE Transactions on nuclear science. 39. 680-684 (1992)