1990 Fiscal Year Annual Research Report
大脳視覚記憶システムと連想学習の機序ー側頭葉新皮質と海馬の相互作用
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02102008
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
宮下 保司 東京大学, 医学部(医), 教授 (40114673)
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| Keywords | 記憶 / 視覚 / 大脳皮質 / 側頭葉 / 海馬 / 霊長類 / ニュ-ロン / 機能円柱 |
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| Research Abstract |
本年度は5年計画の研究初年度であり、次年度以降に渡る研究環境の整備を重点項目とした。第一に、本研究ではヒト高次認知機能の動物モデルとしてサルを用いた実験を駆使することが不可欠なので、水洗式自動飼育設備および浄化槽を購入しサル飼育室を整備した。第二に、複雑な認知記憶課題を制御するために、高性能グラフィクスワ-クステ-ションを導入した。ハ-ドウェア構築は既に完了した。ソフトウェア体系のうち今年度においては、オペレ-ティングシステムとしてのUNIXにリアルタイム制御機能をもたせるためにUNIXのカ-ネルを書き換える作業が行なわれ、十分な性能を発揮することが確認された。第三に、パッチクランプ法とCaイオン感受性色素を同時に用いて細胞内セカンドメッセンジャ-の動態を解析する為の共焦点レ-ザ-顕微鏡システムは既に稼働しており、脳切片標本における研究が開始された。さらに本年度は視覚記憶機構について以下のような成果が得られている。第一に、大脳側頭葉皮質の機能構築を単一微小電極による2個のニュ-ロンからの同時記録によって解析した。フラクタルパタ-ンの長期記憶を学習したサルから記録された27組のニュ-ロンペアのうち、大多数においてはニュ-ロンペアの双方ともフラクタルパタ-ンに選択的に反応するか、もしくは双方とも反応しないことが見いだされた。この知見は、大脳高次連合野における記憶ニュ-ロンの機能円柱構造の存在を初めて証明したものである。第二に、長期記憶における連想記憶課題として「対連合課題 paired association task」を開発した。対連合課題は、ヒトにおいては言語・非言語的記憶課題として広く用いられているが、サルを被験者とした行動学的課題としては報告がない。さらに、この対連合課題遂行中のサルにおいて記憶ニュ-ロンを同定するのに成功した。この新しい記憶ニュ-ロンの性質を現在解析中である。
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[Publications] Miyashita,Y.: "Neuronal activity related to finite capacity of visual shortーtarm memory." Neurosci.Res.11. S58 (1990)
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[Publications] Miyashita,Y.: "Activity of anterior temporal cortical neurons in the monkey related to a visual matchingーtoーsample task." ECVP Abstr.13. 329- (1990)
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[Publications] Sakai,K.: "MoleculeーHippocampusーMemory:On the Molecular Mechanism of Synaptic Plasticity." Brain and Nerve. 42. 1017-1029 (1990)
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[Publications] Miyashita,Y.: "Localization of primal longーterm memory in the primate temporal cortex." Proc.Neurobiol.of Learning and Memory. (1991)
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[Publications] Miyashita,Y.: "Pictorial memory neurons:Evidence for functional localization in the primate anteroventral temporal cortex." Science. (1991)
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[Publications] Miyashita,Y.(E.Iwai and M.Mishkin,eds.): "Vison,Memory and the Temporal Lobe." Elsevier Science Publishers, 14 (1990)
