1990 Fiscal Year Annual Research Report
極微小な機能性磁性粒子による新しいガン治療法の開発
Project/Area Number |
02152046
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 信司 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00168056)
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Keywords | ハイパ-サミア / ガン治療 / マグネタイト / マグネトリポソ-ム / リン脂質二重膜 / 抗体 / 交番磁場 |
Research Abstract |
Fe^<2+>を酸化剤で酸化することによってマグネタイト微粒子を作成し、Fe^<2+>/酸化剤化およびFe^<2+>濃度をかえることで10nm〜150nmの粒径の異なる微粒子が作製できた。得られたマグネタイト微粒子のうち平均約100nmのものを交番磁場中にさらしたところ、4分間で40〜50℃まで温度上昇が認められた。凝集したマグネタイト粒子は、内網系の細胞に駆逐される恐れがあるので、マグネタイト微粒子を水中で安定に分散させるために、粒子表面の修飾を検討した。 生体に対する適合性と粒子表面にガン細胞に対するタ-ゲッティング用の抗体を導入することも考慮し、リン脂質二重膜中にマグネタイト微粒子を封入することとした。直接リン脂質の二重膜で覆って分散させるのは困難であったので、マグネタイト微粒子をラウリン酸と混合して水中に分散させておいてからリン脂質で被覆した。リン脂質の構成成分を検討したところ、フォスファチジルコリン(PC)あるいはフォスファチジルエタノ-ルアミン(PE)のみでは塩の添加やp.Hの変動に対し不安定であったが、PC:PE=2:1の構成比で調製することにより安定なものが得られた。得られたマグネトリポソ-ムを動的光散乱法で平均分散粒子径を測定したところ約160nmであった。コレステリルプルランに抗体を共有結合させ、マグネトリポソ-ムと混ぜることによってリポソ-ムを強化するとともに抗体を導入することができ、マグネトリポソ-ム1個当り導入された抗体量は60個と見積もれた。また、抗体修飾プルランの被覆によって平均分散粒子径は約230nmとなった。今後、抗体修飾マグネトリポソ-ムを標的細胞と混ぜ、細胞上での分布、交番磁場適用時の細胞の壊死を観察するとともに、細胞の温度上昇挙動を解析する予定である。
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Research Products
(1 results)