1990 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺癌の発生ならびに進展に関与する遺伝子変異の研究
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02152071
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高井 新一郎 大阪大学, 医学部, 教授 (80028513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森元 秀起 大阪大学, 医学部, 助手 (70220085)
宮内 啓輔 大阪大学, 医学部, 助手 (70209857)
三木 哲郎 大阪大学, 医学部, 講師 (00174003)
小林 哲郎 大阪大学, 医学部, 助手 (40162002)
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Keywords | 甲状腺乳頭癌 / 甲状腺髄様癌 / 甲状腺未分化癌 / rasオンコジン / retオンコジン / p53 / GーCSF / 培養細胞株 |
Research Abstract |
各種の甲状腺癌におけるオンコジンの活性化や発現、およびp53蛋白の組織発現を検討した。また甲状腺未分化癌よりGーCSFを産生する細胞培養株を作成した。A)<ret>___ーオンコジン:最近Fuscoらは、甲状腺髄様癌や褐色細胞腫における<ret>___ー oncogeneの発現を報告した。<ret>___ーのkinase domainのprobeを用いて検討したところ、甲状腺髄様癌10例(遺伝性6、非遺伝性4)の全てに、また褐色細胞腫7例(遺伝性5、非遺伝性2)のうち6例において<ret>___ーの発現が証明された。<ret>___ーの座位はMEN2Aに極めて近い(Yamamoto et al.in press)。したがって<ret>___ーの発現は甲状截髄様癌の発生に深く関与していると思われる。なお乳頭癌、未分化癌では<ret>___ーの発現は見られなかった。B)<ras>___ーオンコジンの点突然変異による活性化:<ras>___ーの点突然変異は、乳頭癌25例中3例(12%)、未分化癌4例中1例(25%)、甲状腺髄様癌30例中1例(3.3%)であった。甲状腺乳頭癌・髄様癌の発生には、<ras>___ーの点突然変異は大きな役割は演じていないと考えられる。C)免疫組織化学的研究:8症例(乳頭癌6、未分化癌1、低分化癌1)からの16標本(マイクロウェ-ブ固定、パラフィン包埋)につき、抗p53モノクロ-ナル抗体(Abー2)を用いてABC法でp53の組織発現性を調べた。この抗体はp53蛋白のwild type,mutant typeの何れとも反応する。乳頭癌の一例で発原巣で核内にp53を認めたが、この症例のリンパ節転移巣では染色されなかった。D)GーCSF産生性甲状腺未分化癌細胞株の樹立:末梢白血球が高値を示した2例の甲状腺未分化癌患者の腫瘍組織から、それぞれ細胞株を樹立した。いずれもGーCSFを産生しており、conditioned mediumを添加すると細胞増殖を促進した。この結果は、conditioned medium中の何らかの物質が増殖促進効果を持つことを示し、未分化癌の極めて速い増殖にautocrine mechanismが関与している可能性を示唆する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamamoto,M.: "Tight linkage of the <ret>___ー protoーoncogene with the MEN 2A locus." Japn.J.Clin.Oncol.21(3). (1991)
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[Publications] Tanaka,N.: "Mapping of the genes around MEN2A locus using pulsedーfield gel electrophoresis." Jpn J Human Genet.35. 325-330 (1990)
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[Publications] Shodayu Takashima: "CT Evaluation of Anaplastic Thyroid Carcinoma." AJNR. 11. 361-367 (1990)
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[Publications] 森元 秀起: "分子病理診断(in situ hybridization法)" 日本臨床. 48. 1784-1794 (1990)
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[Publications] 高井 新一郎: "臨床医学と癌抑制遺伝子." 癌と化学療法. 17. 1281-1286 (1990)
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[Publications] 田中 規文: "多内分泌腺腫瘍症の遺伝子診断." 臨床医. 16. 1348-1353 (1990)