1990 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖シグナルによるグルコ-ストランスポ-タ-動的変化の分子機構
Project/Area Number |
02152082
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
蛯名 洋介 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (00112227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 日出喜 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (10218589)
村上 尚 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (40210009)
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Keywords | インスリンレセプタ- / チロシンキナ-ゼ / PIー3キナ-ゼ / グルコ-ストランスポ-タ-タイプI / エンハンサ- / 細胞増殖 |
Research Abstract |
1.インスリンレセプタ-チロシンキナ-ゼの細胞内基質の1つはPIー3キナ-ゼである。 従来までインスリンレセプタ-チロシンキナ-ゼの基質はいろいろ報告されているが、それらが本当の生理的役割をもつチロシンキナ-ゼの基質であるのかどうか明らかではなかった。昨年、PIタ-ンオ-バ-の中の新しい酵素であるPI3キナ-ゼがインスリンシグナル伝達のメディエ-タ-の1つである可能性が示唆された.そこで高度に精製したPI3キナ-ゼが精製したインスリンレセプタ-によりin vitroの系でインスリン反応性にリン酸化されるかどうかを検討した。その結果、PI3キナ-ゼの85Kサブユニットが、活性化されたインスリンレセプタ-チロシンキナ-ゼによりリン酸化されていることが明らかとなり、このチロシンリン酸化によりPI3キナ-ゼの活性化が起っている可能性が示唆された。in viroおよびin vitroの結果よりPI3キナ-ゼがインスリンレセプタ-チロシンキナ-ゼの生理的な基質の1つであることがほぼまちがいないと思われる. 2.グルコ-ストランスポ-タ-タイプI(GLUT1)のエンハンサ- 細胞増殖因子により転写促進が起こるマウスグルコ-ストランスポ-タ-(GLUT1)の遺伝子を単離し、その発現調節機構を解析した。その結果2つのエンハンサ-エレメントを見出した。1つは5'端上流3.5kb付近にAP1,SREを含むエンハンサ-エレメントが存在する。また第2イントロン中にもエンハンサ-エレメントが存在することを見出した。現在この2つのエンハンサ-エレメントが細胞増殖因子による転写促進にどのように関与しているか検討中である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shimada,F.,Ebina,Y.et al.: "Insulinーresistant diabetes associated with partial deletion of insulinーreceptor gene." The Lancet. 335. 1179-1181 (1990)
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[Publications] Araki,E.,Ebina,Y.et al.: "A cluster of four spl binding sites required for efficient expression of the human insulin receptor gene." J.Biol.Chem.
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[Publications] Hayashi,H.,Ebina,Y.et al.: "Evidence that phosphatidylinositol 3 kinase is a substrate for insulin receptor tyrosine kinase." J.Biol.Chem.