1990 Fiscal Year Annual Research Report
細胞毒性を有する海洋産環状ペプチドの合成と制癌への応用
Project/Area Number |
02152101
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
塩入 孝之 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (20012627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川添 豊 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (80106252)
幸田 光復 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (60124286)
濱田 康正 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (90117846)
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Keywords | ドラスタチン10 / ダイデムニンB / 細胞毒性 / 海洋産ペプチド / 立体選択的合成 / ジエチルリン酸シアニド / トリフルオロ酢酸 |
Research Abstract |
1.ドラスタチン10の合成研究 強力な細胞毒性を有する,アメフラシ由来のドラスタチン10の立体選択的かつ効率的合成方法を検討した。合成にあたっては,ドラスタチン10を構成するアミノ酸単位をまず合成し,ついでC端から順次アミノ酸構成単位を縮合し,全体を構築することにした。まずC端を構成するドラフェニンは改良ハンチ法を用いて合成し,ドラプロインはエバンス-アルド-ル反応をキイステップとして,ドライソロインはキレ-ション制御の還元をキイステップとして,それぞれ立体選択的に合成した。またN端のN,Nージメチルバリンはバリンより既知の方法で合成した。各構成成分の縮合には,主として我々の開発した多目的反応剤ジエチルリン酸シアニド(DEPC)を用い,N端保護基の脱保護にはトリフルオロ酢酸を使用した。得られたドラスタチン10は,天然品とスペクトルが一致し,またL1210培養細胞に対し強い細胞毒性を示した。さらに同一手法を用いて二,三類縁体を合成した。ドラスタチン10の合成中間体ならびに類縁体の細胞毒性については現在鋭意検討中である。 2.ダイデムニンB類縁体の合成研究 ダイデムニンBはホヤより単離された環状デプシペプチドで,現在臨床への応用が注目されている。すでに我々は,ダイデムニンBの効率的全合成に成功し,また毒性発現にはイソスタチン部とハイドロキシイソバレリルプロピオニル部が重要であることを明らかにした。我々は今回この二つの部分を含む簡単な類縁体の合成研究を行い,その結果いくつかの類縁体を合成することができた。現在これらの細胞毒性について検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Hayashi: "Synthetic study on dolastatin 10,an antineoplastic pentapeptide of marine origin." Peptide Chemistry 1989. 291-296 (1990)
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[Publications] T.Shioiri: "A synthetic study on dolastatin 10,an antineoplastic peptide of marine origin." Abstracts of Twentyーfirst European Peptide Symposium. 59 (1990)
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[Publications] 林 恭子: "海洋産抗腫瘍性鎖状ペンタペプチド,ドラスタチン10の合成研究" 第28回ペプチド化学討論会要旨集. 0-10 (1990)
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[Publications] Y.Hamada: "New methods and reagents in organic synthesis 95,Efficient stereoselective synthesis of dolastatin 10,an antineoplastic peptide from a sea hare" Telrahedron Letters. 32. 931-934 (1991)