1990 Fiscal Year Annual Research Report
生物学的応答修飾の機構を介する放射線抗腫瘍作用の化学的増感
Project/Area Number |
02152108
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
稲山 誠一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30051030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 久夫 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (20095574)
柴田 徹一 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (70051513)
永沢 秀子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90207994)
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Keywords | hypoxic cell / radiosensitizer / differentiation / BRM / 低酸素性細胞 / 放射線増感剤剤 / 分化誘導 / 生物学的応答修飾剤 |
Research Abstract |
低酸素性細胞放射線増感剤に新しい生物学的応答修飾能を導入して、bifunctional放射線増感剤または生物学的応答修飾剤(BRM)を開発することを計画した。その結果、新たにヒドロキサム酸類KINー804,831,841,844、タウリン誘導体KINー861,862及びアミド誘導体KINー8060,8080,8090,8510,8380を設計し効率的合成法を確立した。これらの化合物についてEMT6/KU細胞を用いてin vitro放射線増感活性試験を行ったところ、各々の放射線増感効果比(ER)はいずれも1mMの濃度で2.00(KINー804),1.75(KINー831),1.68(KINー841),1.69(KINー844),1.89(KINー8060),1.96(KINー8080),1.98(KINー8090),0.97(KINー8510),1.84(KINー838),1.22(KINー861),1.61(KINー862)であった。MISOのER、1.72に比べて、かなり高い増感効果を有するものがあることが判明した。このうち、ヒドロキサム酸誘導体KINー831及び804についてddyあるいはC3/HeJマウスを用いた毒性試験を実施したところ、両者ともLD_<50>はKIHー802の約2倍、MISOの1.5倍であることがわかった。さらにこれらは分配係数が低いことから、脳への移行率も小さいと予想され、新しい低酸素性細胞放射線増感剤として有望であると考えられる。NMF等の極性分化誘導剤の中に放射線修飾作用を有するものがあることに着目して、極性化合物と親電子性放射線増感剤の構造上の特徴を生かしてbifunnctionalなBRMの分子設計を行った。この結果得られれたKINー8060,8080,8090,8380に関して、神経芽細胞Cー1300の神経突起の形成を指標とした分化誘導能の検索を行ったところ、いずれの化合物にも著明な神経突起の形成が認められた。一方イミダゾ-ル誘導体KINー5080には突起の形成も放射線増感作用も見られなかったことから、分化誘導においても放射線増感作用と同様に、ニトロ基の存在が重要であることが示唆された。さらにKINー8060は転移抑制効果を有することが明らかになり、この点からも有用性が期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Keisuke Sasai: "KIHー802,an Acetohydroxamic Acid Derivative of 2ーNitroimidazole,as a New Potent Hypoxic Cell Radiosensitizer:Radiosensitizing Activity,Acute Toxicity,and Pharmacokinetics" Cancer Chemother Pharmacol. 26. 112-116 (1990)
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[Publications] 堀 均: "放射線増感剤アリリデンーシクロペンテンジオンの殺細胞効果に対するミトコンドリアのATP合成能の関与" 第49回日本癌学会総会記事(Proceedings of the Japanese Cancer Association.The 49th Annual Meeting). 63 (1990)
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[Publications] 永沢 秀子: "ヒドロキサム酸誘導体の放射線増感活性と体内動態" 第49回日本癌学会総会記事(Proceedings of the Japanese Cancer Association.The 49th Annual Meeting). 63 (1990)
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[Publications] 岩田 大作: "アリリデンーシクロペンテンジオン誘導体のミトコンドリアにおけるPi Carrierに対する特異的な阻害作用" 第63回日本生化学会大会、講演要旨集. 910 (1990)
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[Publications] 山田 滋: "細胞分化誘導を有する放射線増感剤の開発とその作用機構に関する研究" 第33回日本放射線影響学会、講演要旨集. 116 (1990)
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[Publications] Hideko Nagasawa: "Radiosensitizing,Toxicological and Pharmacokinetic Properties of Hydroxamate Analogues of Nitroimidazoles as Bifunctional Radiosensitizer/Chemical Modifiers" Proc.VIIth Int'l Conference on Chemical Modifiers of Cancer Treatment. 158 (1991)
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[Publications] 永沢 秀子: "生物学的応答修飾能を有する放射線増感剤の開発に関する研究" 日本薬学会第111年会講演集. 4. 217 (1991)