1990 Fiscal Year Annual Research Report
がんの地域較差に対する栄養素摂取と発癌物質暴露に関する生体指標を用いた疫学的研究
Project/Area Number |
02152134
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
津金 昌一郎 国立がんセンター研究所, 疫学部, 室長 (40179982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 百子 国立健康栄養研究所, 成人健康・栄養部, 室長
津田 充宥 国立がんセンター研究所, 生化学部, 室長 (00124420)
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Keywords | がんの地域差 / 相関研究 / 生体指標 / 微量元素 / ビタミン / 硝酸塩 / ニトロソ・アミノ酸 / 食塩 |
Research Abstract |
岩手県二戸(1市町村)・秋田県横手(1市7町村)・長野県佐久(1市8町村)・東京都葛飾北・沖縄県石川(2市5町村)の予定した5つの保健所管轄地域の調査を全て終了した。調査に協力を得られた者の割合は、60〜78%(岩手:77、秋田:78、長野:71、東京:60、沖縄:76)であり、また協力者の中で配偶者の参加を得られた者の割合は、43〜72%(岩手:52、秋田:60、長野:66、東京:43、沖縄:72)であった。また、24時間尿および栄養調査においてもほぼ予定数を収集する事が出来た。 現在迄のところ、東京を除いて、血中(血清あるいは血漿)の栄養素(コレステロ-ル、尿酸、タンパク)、微量元素(セレニウム・亜鉛・銅など)、抗酸化物質(ビタミンC、A、E、カロテン、ルテイン、リコペンなど)、随時尿中の無機質(ナトリウム、カリウムなど)、24時間尿中の硝酸塩、ニトロソアミノ酸(Nーnitrosoproline,Nーnitrosothioprolineなど)、無機質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)の定量を終了した。 胃癌訂正死亡率との相関については、24時間尿中の食塩排泄量と極めて強い正の相関が得られ、胃癌発症の地域差は、大部分が食塩摂取により規定されていることが示唆された。また、硝酸塩あるいはNーnitrosoーproline排泄量とは相関が認められなかったが、含硫ニトロソアミノ酸(Nーnitrosothioproline,Nーnitrosomethylthioproline)との間には、弱い正の関連を認めた。特に、低リスク地域沖縄においては、他地域に比較して、硝酸塩の排泄量が少なくないにも係わらず、含硫ニトロソアミノ酸排泄量が低値であり、亜硝酸からの生体内ニトロソ化反応が抑制されている可能性が示唆され、イニシエ-タ-としてのニトロソ化合物の関与も否定出来ない知見が得られた。 血中抗酸化ビタミンや微量栄養素濃度に関しては、いずれも、胃癌あるいは肺癌の訂正死亡率との間に、集団レベルでの明かな負の関連は認められなかった。ビタミンCにおける沖縄の低値、βーカロテンにおける秋田の低値、αートコフェロ-ルにおける沖縄の高値、セレニウムにおける秋田の高値などが顕著であった。 また、これら栄養素の血中濃度に影響する因子の解析を行った結果、ビタミンCと果物の摂取頻度の正の相関、βーカロテンと飲酒・喫煙の負の相関、αートコフェロ-ルと血清総コレステロ-ルの正の相関などが、明らかになった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tsugane.S.,et al.: "Urinary salt excretion and stomach cancer mortality among four Japanese populations" Cancer Causes & Control. 2. (1991)
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[Publications] 津金 昌一郎・他: "がん死亡率の地域較差に対する生態学的アプロ-チ" 癌の臨床. 36. 425-429 (1990)
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[Publications] Tsuda M.,et al.: "Nitriteーtrapping capacity of thioproline in the human body" IARC Scientific Publication. 105. 137-142 (1990)
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[Publications] Yamaguchi M.,et al.: "Summary of National Nutrition Survey 1980ー1984 by prefecture" Japanese J.of Clinical Oncology. 20. 113-120 (1990)