1990 Fiscal Year Annual Research Report
特殊イオンセンサ-による火口湖底噴火予知システムの構築
Project/Area Number |
02201212
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 穆一郎 東京大学, 教養学部, 助教授 (90012426)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿秡 邦彦 東京大学, 教養学部, 教授 (70012333)
|
Keywords | 火山噴火予知 / 災害 / 火口湖 / ポリチオン酸 / 硫化水素 / 連続観測 / イオン選択性電極 / デ-タロガ- |
Research Abstract |
湖底噴火予知システムの構築目標として、1.硝酸イオン電極によるポリチオン酸イオンのモニタリング、2.硫化水素ガス電極による湖水に溶存する硫化水素のモニタリング、のための全システムを作り上げることとした。1の目標については実際に草津白根火山湯釜火口湖に電池駆動式デ-タロガ-による連続観測装置一式を設置するところまで研究を推進することが出来、実地観測による試験運転を行っている。この間に種々の予期しないトラブルのため、まだ信頼するに足るデ-タは得られていないが、細部を現場の諸条件に合うように修正改良を加えつつあり、野外観測装置として完成度を高めているところである。この装置の現在直面している最大の難点は冬期の連続観測ができない点である。これはシステムが揚水方式をとっているためで、電極の耐酸性能を向上させることによって克服できる。2の目標は湖水中の硫水水素を連続的にモニタ-することにより、湖底噴気の噴出量を速度および活動の変化の方向を探ることにある。これは市販の硫化水素ガス電極を、強酸性の湖水中の硫化水素の検出用に改良することにより実地観測への見通しを得ることが出来た。このガス電極法によれば、高濃度の多様な成分を溶存する火口湖水の中の硫化水素をほとんど妨害なくモニタ-することができる。測定濃度範囲は0.5〜100ppmの範囲であり、実地モニタ-範囲を充分カバ-することができる。現在この電極の現地観測および実験室測定における安定性について検討を重ねている。現在直面している難点は長期観測における参照電極の出力安定性に付隨する問題である。電極構造の改良によりこの困難の克服を試みているところである。これら二つの電極からの出力はデ-タロガ-に貯め込まれ、約1カ月毎に出力されるように運転されているが、ポリチオン酸モニタ-と同様、冬季の連続観測は実現していない。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] G.L.Rowe,S.Ohsawa,B.Takano,S.L.Brantley,J.F.Fernandez and J.Barquero: "Using crater lake chemistry to predict volcanic activity at Poa^^´s Volcano,Costa Rica" Bulletin of Volcanology. (1991)
-
[Publications] B.Takano,S.Ohsawa and R.B.Glover: "Surveillance of active crater lakes by aqueous polythionates and related sulfur species" Journal of Volcanology and Geothermal Research. (1991)
-
[Publications] H.Saito,E.Takano and B.Takano: "Chemistry of subaqueous molten sulfur lakes at Crater lakes" Chemical Geology. (1991)