1990 Fiscal Year Annual Research Report
都市域における局所的な浸水被害の防災力評価に関する研究
Project/Area Number |
02201222
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松林 宇一郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80126903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 守博 名古屋大学, 工学部, 助手 (40165030)
高木 不折 名古屋大学, 工学部, 教授 (50023057)
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Keywords | 内水氾濫 / 浸水 / 都市水害 / R.R.L法 / 数値解析 / ハイブリッドモデル |
Research Abstract |
近年、都市においては内水氾濫による被害が重要な問題となっている。このような氾濫・浸水現象の解析には、一般に、2次元平面流れの基礎式に基づいた数値解析が行われる。その際、流域全体を解析するのではなく、着目した限られた範囲のみを対象とした解析ができれば下水道網の計画・安全性に対する評価を行う上で、また、計算時間短縮の上からも非常に有効であると考えられる。 この問題は初期値・境界値問題であるので厳密には任意地点で境界条件を与えることはできない。そこで、どの様な条件下でどの様な境界条件が工学的に許容できるかについて検討を行った。なお、基礎デ-タとして流域内の任意地点で水位や流量フラックスが必要であるが、これらを実際に観測することは困灘なので、全体流域での氾濫解析を行ってその計算結果を観測値とみなした。 境界条件は対象地域の特性によって幾つかの場合が想定される。すなわち(A)盛土形式の鉄道、道路、堤防、等が境界となる場合(B)無提の河川が境界となる場合(C)(A),(B)のような明瞭な境界がないところ(一般部)で境界を設ける場合である。本研究では最も設定の困難な(C)について検討した。 まず、境界流量についは、流れがKinematicで一方向的である境界では上流部からの流出を流出解析(PRL法)により計算した。水深については、その流人形態を等流近似することによりh'=(q・n/√<I>)^<3/5>によって算定した。 解析の結果、境界流量フラックスについては、RRL法で流量が良好に推定出来ることが分かった。また、RRL法の貯留量ー流出量関係は通常とは異なり線形であるという興味深い結果を得た。境界流量フラックスから水深への変換は勾配の比較的大きな地域といえども上式のように単純には表せないことが分かった。提案した境界条件設定法に基づいて数値計算した結果は実測水深とほぼ一致した。
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Research Products
(2 results)