1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02202119
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
坂本 弘 三重大学, 医学部, 教授 (40024674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 真太郎 和歌山県立医科大学, 教授 (70073690)
兜 真徳 国立環境研究所, 総合研究官 (00113481)
泉山 中三 東海大学, 文学部, 教授 (70119642)
田村 明弘 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (50017977)
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Keywords | アメニティ・サウンド / 人工音環境 / サウンド・スケ-プ / 快・不快音 / 精神生理反応 / 受音者属性 |
Research Abstract |
過去10年間に公表されてきた散発的研究成果を検索・収集し、学際的に検討した。 1.建築学領域からみた音環境研究の現状と展望:建築学ではいまだアメニティ・サウンドについて十分な認知が得られていない。しかし、サウンド・スケ-プに関するものがあらわれている。 2.アメニティ・サウンド開発の現状と将来展望:広帯域雑音を騒音のマスカ-として応用するシステムは受音者に受け入れられなかった。1/fゆらぎ音の環境利用について検討されているが、成績のばらつきが大である。環境全体の調和を考慮したサウンド・スケ-プ論の意義は大きい。また、受音者側要因の検討も今後必要である。 3.生活音の「快・不快」特性に関する心理生理学的研究の現状と将来展望:ほとんどが音楽の効果に関する実験的研究に限られ、質的研究が多い。再現性や方法論に問題があり、実生活に即した実証的研究が望まれる。 4.環境衛生学領域の文献からみた音響の有効利用に関する研究の現状と将来展望:BGMを生産や医療の場に用いた報告は多いが、客観的に効果が確認されていない。また宿主状況により音環境評価が大幅に変ることを示唆する報告が多い。効果判定法および負荷条件を規定する測度の標準化が必要である。 5.受音者の生体機能からみたアメニティ研究の現状と将来の研究課題:情緒応答、行動変化、生理機能、疾病症状が観察対象とされてきた。しかし、評価基準が報告により異なるので、その標準化が期待される。 以上の如く、アメニティ・サウンドの音響学的属性、受音者特性の把握法、心理生理機能変化評価の標準化等についての実証的研究が望まれる。
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