地域特性に応じた小規模分散型排水処理システムの構築に関する研究

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02202145
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 須藤 隆一 東北大学, 工学部, 教授 (70109916)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 村上 昭彦 東京農工大学, 工学部, 教授 (20015043) ; 平田 彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063610) ; 羽野 忠 大分大学, 工学部, 教授 (80038067) ; 野池 達也 東北大学, 工学部, 教授 (90005398) ; 今井 弘 北海道大学, 工学部, 助教授 (70001211)
• Keywords: 小規模排水処理 / 地域特性 / 処理技術 / 処理性能 / 費用関数 / エキスパ-トシステム / モデル / デ-タベ-ス

Research Abstract

本研究においては、小規模の集落からなる地域の地形、気候等の自然環境特性や土地及び水利用形態等の社会経済的特性に応じて、閉鎖型処理技術ならびに開放型処理技術から処理方式を選定したり、あるいは処理方式の組み合せ方式を選定するエキスパ-トシステムを構築することを最終的な目的とする。本年度は、主に処理性能評価モデルの作成と処理費用のデ-タベ-ス化を検討した。
検討した処理技術は、回分式活性汚泥法、回転円板法、嫌気ろ床法、嫌気・好気ろ床法、嫌気・好気活性汚泥法ならびに水路浄化法、酸化池法、湿地浄化法、土壌浄化法である。実際の生活排水を用いた処理実験結果を主に利用して、各処理技術の処理性能モデルを作成した。各処理技術に対応した処理性能モデルは、実験結果等によってある程度検証されたが、これらの処理性能モデルを比較する際の問題点も明らかにした。
処理費用としては、用地費や施設などの建設費と維持管理費について検討した。用地費については、処理に必要な面積や整地に必要な費用の関数とした。施設建設費は、各処理技術ごとにシステム処理に必要な容積の関数として表現した。維持管理費については、主に閉鎖型処理技術においてばっ気に要する電気代と汚泥の引き抜き費用を考慮した。電気代は好気槽の容積と滞留特間の関数としてあらわた。汚泥の引き抜き費用は汚泥発生量の関数で、汚泥発生量は水温やSS除去率、あるいはBOD除去率の関数で表現した。開放型処理技術については、自主的にその地域住民によって行われることが多く、評価が困難であり、今後の課題とした。

Research Products

• [Publications] 稲森 悠平,林 紀男,須藤 隆一: "水路による汚濁河川水の直接浄化" 用水と廃水. 32. 32-37 (1990)
• [Publications] 稲森 悠平,林 紀男,須藤 隆一: "直接浄化法を活用した河川水からの汚濁負荷の消減" 用水と廃水. 32. 22-29 (1990)
• [Publications] Imai H.,Endoh K.: "Potassium Removal Accompained by Enhanced Biological Phosphate Removal" J.Fcrment.Bioeng.69. 250-255 (1990)
• [Publications] 今井 弘: "回分式活性汚泥法によるリン除去のシミュレ-ションモデル" ケミカルエンジニアリング. 35. 29-34 (1990)
• [Publications] 松本 明人,野池 達也: "嫌気性流動床におけるメタン生成に及ぼす流入基質濃度および流入負荷の影響" 水質汚泥濁研究. 13. 54-62 (1990)
• [Publications] 高野 卓,野池 達也: "嫌気性ろ床法における基質分解および細菌分布に及ぼすろ材の充填形態の影響" 水質汚濁研究. 13. 357-366 (1990)
• [Publications] T.Hano: "Analysis of nitrogen removal behavior in anaerobicーaerobic activated sludge processes" Proceedings of AsiaーPacific Biochemical Engineering Conference. 548-551 (1990)
• [Publications] 羽野 忠: "難分解性有機化合物含有廃水の付着生物膜処理" ケミカルエンジニアリング. 35. 816-821 (1990)
• [Publications] Akira HIRATA,JinーSeog KIM and Yukihisa HOSAKA: "Biofilmswachstum on PhenolーAbwasserーVerfahren nach DreiphasenーWirbelbettreactor" Bulletin of Science and Engineering Research Laboratory,Waseda University. 1-7 (1990)
• [Publications] 保坂 幸尚,村田 ナオキ,岡 義久,平田 彰: "活性汚泥によるフェノ-ル・ホルムアルデヒド複合基質の除去" 水処理技術. 31. 23-30 (1990)
• [Publications] M.Hosomi,Y.Inamori,K.Matsushige,R.Sudo: "Denitrification of landfill leachate by the modified rotating biological contactor" Water Science & Technology. 23. 1477-1485 (1991)
• [Publications] 細見 正明: "湿地による水質浄化" 用水と廃水. 32. 56-59 (1990)
• [Publications] 中村 剛,岡田 光正,村上 昭彦: "活性汚泥のフェノ-ル分解能力獲得過程に関する研究" 水質汚泥濁研究. 13. 374-381 (1990)
• [Publications] 岡田 光正,上野 泰功,林奇 剛,村上 昭彦: "回分式活性汚泥法による脱リン特性" 水質汚濁研究. 14. 47-53 (1991)