1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02202245
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
荻野 圭三 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60084430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 正彦 東京理科大学, 理工学部, 講師 (40089371)
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Keywords | グラム陰性細菌 / エンドトキシン / フミン質 / 注射水 / 全有機炭素量 |
Research Abstract |
水中に棲息する微生物は生育に適した生物化学的条件が満たされれば増殖を始め人間環境に有害な作用を及ぼす。本研究では、機能性高分子材料による微生物の分離除去に先立ち、水中における微生物の生育挙動及び有機有害物の溶存状態を生化学的及び界面科学的に検討した。 1.純水中における細菌の生育挙動:水の汚染菌として以下の6種12株のグラム陰性菌(Achromobacter ruhrandii IAM 12600,Alcaligenes faecalis IAM 12586,Alteromonas putrefaciens IAM 12079,IFO 3908,IFO 3909,IFO 3910,E.coli IAM 1268,Pseudomonas aeruginosa IAM 1275,JCM 02776,JCM 5516,Pseudomonas diminuta JCM 02788,Serratia marcescens IFO 12648)を全有機炭素(TOC)138ppbの注射水に約10^3個/mL接種し、25℃で約2週間生育挙動を調べたところ3種類の生育タイプに分類できることが分かった。TypeI:2週間以上生育し増殖、死滅を繰り返し有害なエンドトキシンを水中に放出する(A.ruhrandiiとP.diminuta)。TypeII:2週間以上生存し得るが最終的に死滅していく(P.aerugnosaとE.coli)。TypeIII:短時間で死滅していく。多くの菌がこれに属する。2.細菌1cell中のエンドトキシン量及び溶存状態:一定数の細菌を超音波破壊し1cell中のエンドトキシン量を定量したところ、17〜80fg(10^<ー15g>)であることを見出した。エンドトキシンは光散乱法及びゼ-タ電位測定より、水中では巨大ミセルを形成しその平均粒子径は1400〜2200Aであり、負にチャ-ジしていることが分かった。3.細菌のフミン質資化特性:水中のTOCの主成分である純水溶出フミン質を注射水に5〜10mgC/L添加し、TypeIの菌の生育挙動を調べたところ、接種後、馴化に約3日要するが、フミン質を資化し対数増殖した。TypeIIの菌は、フミン質を資化しないことが分かった。4.細菌の表面電位:対照細細菌を0.01M NaClに懸濁させ表面電位を測定したところ、ー10〜ー50mVであることが分かった。
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Research Products
(1 results)