1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02202245
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
荻野 圭三 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60084430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 正彦 東京理科大学, 理工学部, 講師 (40089371)
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Keywords | グラム陰性細菌 / エンドトキシン / 貧栄養水 / イオン交換樹脂 / TOC(全有機炭素量) |
Research Abstract |
水中に棲息する微生物は、生育に適した生物化学的条件が満たされれば増殖を始め人間環境に有害な作用を及ぼす。本研究では、水中における微生物の生育挙動及び有機有害物の溶存状態を明らかにし、これらの微生物及び有機有害物を機能性高分子材料であるイオン交換樹脂を用いて、水中から効果的に分離除去することを目的とする。 1.エンドトキシン(ET)のバッチ吸着:試薬ETを1〜100ng/mLの濃度に溶解し、強塩基性陰イオン交換樹脂(SBAER)50mgを加え、25℃において吸着試験を行った。その結果、トリメチルアミン基を有するI型樹脂の方がジメチルアミノエタノ-ル基のII型樹脂より効果的にETを除去した。また、I型、II型とも孔を有するMR型樹脂の方がETの除去に効果的であった。ETは、水中では-数mV〜-25mVで負に帯電しており、MR型樹脂では静電的及び孔に、Gel型では樹脂表面で静電的に吸着除去されたものと考えられる。 2.貧栄養水中で増殖する細菌の除去:2種のグラム陰性細菌、Achromobacter ruhrandii IAM 12600、Pseudomonas diminuta JCM 02788を貧栄養水(TOC:60ppb、電気抵抗率:18MΩcm)中に10〜10^2cell/mL接種した。この液を外部からの汚染を受けないポリプロピレン容器に入れ、容器外部に再生型SBAERと強酸性陽イオン交換樹脂の混合樹脂(体積比で2:1、全量20mL)のカラムとポンプをつけ液を循環(初めはカラムをby pass)した。細菌は直ちに増殖を始め、約一週間後に静止期に達した。ETは2〜3日後より発現し、4〜6ng/mL濃度レベルで一定となった。12日後に流路を樹脂カラム側に切り換えたところ、細菌及びETは樹脂に効果的に吸着除去された。生理的食塩水で樹脂から細菌を脱着させ、細菌の生理活性をPlate試験及びOxidase試験をした結果、negativeであった。上記試験並びに細菌のイオン交換樹脂によるバッチ吸着試験及び樹脂上での細菌の生理活性試験より細菌は高度に再生された両樹脂近傍にある濃厚な酸及び塩基との連続的な接触により、殺菌されたものと考えられる。
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Research Products
(1 results)