1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02203123
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
太田 英二 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (20112675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿下 和彦 職業訓練大学校, 電子工学科, 助手
須田 敏和 職業訓練大学校, 電子工学科, 教授
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Keywords | 燐化亜鉛(Zn_3P_2) / 薄膜太陽電池 / ヘテロ接合 / エピタキシャル成長 / MOCVD |
Research Abstract |
燐化亜鉛(Zn_3P_2)は、その構成元素の極めて豊富な地殻埋蔵量から、シリコンに次ぐ低価格を期待できる新素材である。本研究では、MOCVD法、光MOCVD法によってZn_3P_2、ZnSe両薄膜のエピタキシャル成長条件を探り、その光学的、電気的特性評価を行った。また、pーZn_3P_2/nーCdS、pーZn_3P_2/nーZnSe薄膜太陽電池を作製しその特性評価を行った。 減圧MOCVD法および光MOCVD法によってZn_3P_2膜エピタキシャル成長条件を探る実験については、基板としてGaAs(100)、ZnSe(GaAs上)およびCdS単結晶を用いて行った。その結果、いずれの基板上においても、世界で初めてZn_3P_2膜をエピタキシャル成長させることに成功し、その条件を決定することができた。 同様に、GaAs(100)基板を用いて、ZnSeのMOCVD法によるエピタキシャル成長条件を探る実験を行った。 GaAs基板上では、VI/II比が小さな場合を除き、200℃〜250℃の成長温度ではVI/II比によらず、ZnSe膜はエピタキシャル成長した。 次に、GaAs(100)上にエピタキシャル成長させたZn_3P_2を基板として、ZnSeのMOCVD法によるエピタキシャル成長を試みた。その結果、VI/II比17、成長温度200〜320℃にてZnSeはエピタキシャル成長していることが確認された。 試作したZn_3P_2/CdSヘテロ接合太陽電池においては、光電変換が確認されたが界面の特性改善が不十分なため、大きな効率がでるまでに至らなかった。 Zn_3P_2/ZnSe/GaAsヘテロ接合試料として、Zn_3P_2/ZnSe太陽電池を作成した。電流ー電圧特性については、nーZnSe/nーGaAs接合の特性がpーZn_3P_2/nーZnSe接合の特性に重なって表れ、この方法では技術的限界があるため、今後GaAs(100)基板上にZn_3P_2→ZnSeの順に膜をエピタキシャル成長させることとした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Suda: "Zinc Phosphide Thin Films Grown by Plasma Assisted Vapor Phase Depositton" Journal of Crystal Growth. 99. 625-629 (1990)
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[Publications] K.Kakishita,Y.Endo,T.Suda: "Zn_3P_2 Thin Film Grown by IonizedーCluster Beam Deposition." Proceedings of the thirteenth Symposium on Ion Sources and IonーAssisted Technology. VIー8. 255-258 (1990)
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[Publications] A.Kuroyanagi,T.Suda: "Single Crystal Growth and Characterization of Zinc Phosphide" Journal of Crystal Growth. 100. 1-4 (1990)
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[Publications] K.Kakishita,S.Ikeda,T.Suda: "Zn_3P_2 Epitaxial Growth of MOCVD" Journal of Crystal Growth.