1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02203210
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小宮山 真 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (50133096)
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Keywords | シクロデキストリン / 人工酵素 / 選択的分離 / 分子認識 |
Research Abstract |
近年、省エネルギ-的でかつ選択性の高い分離法として、酵素と基質(あるいは抗原と抗体)との特異的な複合体形成を用いる方法が注目されている。しかし、天然酵素を利用する分離法には、1)酵素が高価であり、しかも不安定であるために分離条件が制約を受ける、2)分離対象物質に対して選択的結合能を持つ酵素が必ずしも在存するとは限らない などの解決すべき問題点がある。従って、酵素と同様に特定基質に対して選択的な複合体形成能を有し、しかも自由に分子設計が可能である人工合成物(人工酵素)の開発が強く望まれている。本研究では、特異的基質結合能を持つ環状オリゴ糖であるシクロデキストリンに、さらに化学修飾を加えて新たな官能基を導入することにより、一層優れた分子認識能を持つ修飾シクロデキストリン(人工酵素)を合成し、これらを用いる高選択的分離法を開発することを目的とした。 特に、本年度は、種々のファインケミカルの合成中間体であるヒドロキシメチルフェノ-ルのパラ体とオルト体との選択的分離に有効な修飾シクロデキストリンの開発を主たる対象とした。βーシクロデキストリンに様々な化学修飾を加え、パラ体とオルト体に対する結合能を評価した。その結果、例えば、シクロデキストリンの一級水酸基側にヒドロキシプロピル基を導入すると、パラ体に対する結合能が著しく向上することを見出した。ここでは、新たに導入されたヒドロキシプロピル基とパラ体の間に水素結合が形成されて、シクロデキストリンに対する結合能を選択的に増進している。さらに、修飾シクロデキストリンを架橋剤により架橋した固定化シクロデキストリンを合成した。これらを用いて分離カラムを構築し、目的物を簡便かつ高選択的に分離することにも成功した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Matsumoto: "βーCyclodextrin bearing diethylenetriamine as highly active phosphodiester hydrolyzing agent." Chemistry Letters. 1990. 469-472 (1990)
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[Publications] K.Yoshinari: "Hydrolysis of adenosine 2',3'ーcyclic phosphate and adenylyl(3',5')adenosine catalyzed by alkylenediamines" Chemistry Letters. 1990. 519-522 (1990)
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[Publications] Y.Matsumoto: "βーCyclodextrin attached with metal complex as catalyst for the cleavage of ribonucleoside cyclic phosphates and ribonucleotide dimers" J.Mol.Catal.61. 129-136 (1990)
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[Publications] Y.Matsumoto: "Efficient cleavage of adenylyl(3',5')adenosine by triethylenetetraminecobalt(III)." Journal of Chemical Society,Chemical Communication. 1990. 1050-1051 (1990)
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[Publications] Y.Yoshinari: "Regioselective cleavage of ribonucleoside 2',3'ーcyclic monophosphates induced by 6ーOーαーglucopyranosylー and 6ーOーαーmaltosylーcyclodextrins" Carbohydrate Research. 198. 392-398 (1990)
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[Publications] Y.Matsumoto: "Facile cleavage of RNA via phosphodiester linkage fission by Co(III) complex" Nucleic Acids Research,Symposium Series. 22. 59-60 (1990)