1990 Fiscal Year Annual Research Report
可溶不可溶逆セルラ-ゼを用いた沈降分離型反応器によりセルロ-スの連続同時糖化酸酵
Project/Area Number |
02203219
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤井 盈宏 新潟大学, 工学部, 教授 (70092723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 正之 新潟大学, 工学部, 助教授 (00163634)
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Keywords | セルラ-ゼ / バイオリアクタ- / 同時糖化醗酵 / セルロ-ス / 固定化酵素 |
Research Abstract |
セルロ-スを生物燃料へ変換するプロセスにおいて糖化工程は最大の律速段階であり、セルラ-ゼの利用効率を高める必要がある。そこで、可溶状態で立体障害なくセルロ-スに効率よく作用した後、pHをわずかに変えることによって不溶化し回収再利用できる可溶・不溶可逆セルラ-ゼの調製およびその繰り返し利用について検討した。得られた成果は以下のようにまとめられる。 1.pHに応答して溶解性が変化する3種類の高分子にそれぞれセルラ-ゼを水溶性カルボジイミドを用いて固定化することにより、可溶・不溶可逆セルラ-ゼを調製できた。 2.固定化酵素の調製条件としてpH,固定化時間、酵素と高分子の重量比、酵素添加量について検討し、最適な固定化条件を決定した。 3.調製した固定化酵素の沈降特性を検討した結果、pH3.8において約10分間静置することにより、大部分の固定化酵素は沈澱として回収でき、再利用できた。 4.この固定化酵素は水に溶けている状態で効率よくゼルロ-スを加水分解し、反応終了後にpHを変えることによって不溶化し、反応生成物である糖液と分離ができた。また、可溶・不溶可逆セルラ-ゼは水不溶性担体に固定化したセルラ-ゼに比べて結晶セルロ-スに対する活性が著しく向上した。 5.不溶化時に沈降する可溶・不溶可逆セルラ-ゼを繰り返し用いるために、円錐形の底部を有する沈降分離型反応装置を作製した。この装置内で可溶・不溶可逆セルラ-ゼを繰り返し用いて結晶セルロ-スおよび脱リグニンした稲わらを可水分解できた。
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Research Products
(1 results)