1990 Fiscal Year Annual Research Report
有機吸着剤を用いた循環流動層式吸着装置による海水ウラン採取
Project/Area Number |
02203220
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 義郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (60176378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 奨 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10217854)
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Keywords | アミドキシム樹脂 / 含水酸化チタン / 海水 / 吸着装置 / 循環流動層 / ウラン回収 |
Research Abstract |
我々はこれまで,天然海水からウランを効率良く回収することを目的として,多量の海水を処理する能力に優れている循環流動層式吸着装置を開発してきた。本研究では,無機系と有機系の2種類の吸着剤を使用して,この装置による天然海水からのウラン吸着実験を行った。無機吸着剤には日本たばこ産業(株)から提供して頂いた造粒含水酸化チタン(PANーHTO)を,有機吸着剤には三菱化成(株)から提供して頂いたアミドキシム樹脂(AOR)を使用した。吸着剤単位重量当たりのウラン吸着量で比較した場合,AORの方がPANーHTOより高い値を示した。しかしAORは粒子密度が小さいので,吸着剤単位容積当たりに換算すると両者はほぼ同等の値となった。吸着装置として重要なことは,単位容積当たりのウラン吸着量であるので,現時点ではAORとPANーHTOとの間には有意な差は見られなかった。しかしAORを用いることにより,圧力損失を低く抑えることができ,また1サイクル当たりの吸着日数も長くとれるので,今後さらにAORを本吸着装置に適したものに改良することにより,回収効率の高いシステムとすることができるものと評価した。 循環流動層式吸着装置の装置設計を定量的・合理的に行なうために,層内における吸着剤へのウラン吸着過程をモデル化し,吸着挙動の解析を行った。吸着の初期には粒内の吸着量分布は粒子表面のごく近辺に限られており,吸着の進行に伴って粒子内部へと移行していく。そこで被吸着質の粒内への進入度合いに応じて粒内の分割幅を定めるなどして計算精度の向上をはかった。吸着剤性能,吸着剤充填量,槽高等の操作条件を入力値としてウラン吸着量をシミュレ-トしたところ,精度よく実験値と一致した。このプログラムを使用して,吸着剤性能が向上した場合の効果等について検討した。
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[Publications] S.Nakamura,S.Yoshimuta,M.Shirakashi,M.Kanno,and Y.Ito: "Development of Circulating Fluidzed Bed Adsorber" AIChE Journal. 36. 1003-1010 (1990)
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[Publications] S.Nakamura,Y.Ito,M.Shirakashi,and M.Kanno: "Development of Circulating Fluidized Bed Adsorber for Recovering Uranium from Seawater" Preprints for 3rd International Conference on CFB,Nagoya,Octorber 15ー18. 2-2-1-2-2-6 (1990)
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[Publications] Y.Ito,S.Nakamura,S.Yoshimuta,M.Shirakashi and M.Kanno: "Development of Circulating Fluidized Bed Adsorber for Recovering Uranium from Seawater" ASME Bound Volume,Fourth International Symposium on LiquidーSolid Flows,Portland,USA,June 24ー26. (1991)