1990 Fiscal Year Annual Research Report
微生物菌体分離のためのクロスフロ-濾過法の高効率化
Project/Area Number |
02203238
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中西 一弘 岡山大学, 工学部, 教授 (90026584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 孝明 岡山大学, 工学部, 助手 (00217043)
富田 憲史 岡山大学, 工学部, 講師 (20217532)
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Keywords | クロスフロ-濾過 / 菌体付着層 / 膜透過流束 / ダウンストリ-ムプロセッシング / 菌体分離 |
Research Abstract |
本年度は以下の三点の項目に関して検討を行った。 (1)パン酵母懸濁液のクロスフロ-濾過機構の解明 薄層流路型クロスフロ-濾過装置を用いて、パン酵母懸濁液のクロスフロ-濾過を行い、その膜透過流束に及ぼす諸因子を調べた。これらの実験結果から、膜透過機構に関して検討を行ったところ以下の知見が得られた。濾過開始直後においては、きわめて短期間であるが、菌体はDeadーend型の濾過の場合と同様な充填構造を取りながらも膜面上に堆積する。その後、菌体付着層表面近傍において、内部よりも密な構造の付着層が形成されることが明らかにされた。この理由として循環中に一部の菌体が変形しやすい構造に変質するためであることが示唆された。 (2)膜透過流束を高くするための新規な操作方法の開発 高い膜透過流束を得る目的で、種々の操作方法を検討した結果、濾口を周期的に開閉し、しかも濾口を閉じた時に気泡を供給すると、膜透過流束が数倍から10倍増加することが判明した。最適な条件では、2%のパン酵母懸濁液を10%に濃縮した場合の平均膜透過流束は3501/h・m^2に達した。 (3)高粘性培養液のクロスフロ-濾過 微生物菌体の中には、多糖など高分子物質を分泌するものが少なくない。これらの高分子物質は食品添加剤や生理活性物質としての理用が注目されている。本研究では、ケ-ススタディ-として、<Aureobasidium>___ー <pullulanns>___ーによる多糖プルランの発酵生産を行い、その高粘性培養液からの菌体の回収をクロスフロ-濾過法により行った。膜透過流束は低に値であったが、濾液は完全に清澄であり、プルランの膜透過率も90%と高く、クロスフロ-濾過法の有用性が示された。
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