1990 Fiscal Year Annual Research Report
抗体固定化磁性細菌粒子によるアレルゲンの認識および除去
Project/Area Number |
02205035
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松永 是 東京農工大学, 工学部, 教授 (10134834)
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Keywords | 抗体 / 磁性細菌粒子 / アレルゲン / 有機薄膜 / イムノグロブリンE / アレルギ-反応 |
Research Abstract |
アレルギ-反応を利用したアレルゲンの検出には皮膚テストやRIST法が行われている。しかしながら、アナフィラキシ-ショックなどの危険を伴うことやその処理について問題があることから新しいアレルゲン検出法の開発が望まれている。また、アレルゲンの除去はアレルギ-反応の予防や治療のためには必要であるが、これまでにこの問題についてはほとんど行われていなかった。そこで本研究では磁性細菌がその菌体内に合成する有機薄膜に覆われた磁気微粒子(磁性細菌粒子)に直接、抗体イムノグロブリンE(1gE)の固定化を行い、抗体固定化磁性細菌粒子を調製し、アレルゲンの検出および除去について検討した。まず、磁性細菌粒子の大量調製のため磁性細菌の大量培養について行ったところ、炭素源としてコハク酸、窒素源として硝酸ナトリウムを用いpHスタットの条件で2.0x10^9cells/mlまで磁性細菌を増やすことができた。このとき、磁性細菌の収量は乾燥菌体の重量の2.5%までに達した。この磁性細菌粒子には蛍光色素FITCで標識したIgE抗体が粒子1mg当り324μg固定化可能であり、有機薄膜を取り除いた磁性細菌粒子と比べて非常に多量の抗体が固定化できることが示された。この抗体固定化磁性細菌粒子を用いてモデルアレルゲンであるDNPーBSA(ジニトロフェニル化した牛血清アルブミン)の検出について検討した。15分間反応させた後、ゼラチンを1%含む緩衝液(pH8.3)中に分散させ蛍光強度を測定した結果、蛍光はアレルゲンであるDNPーBSAとインキュベ-トした場合にのみ減少が見られた。さらに蛍光強度の減少とアレルゲンの濃度(0.1〜10μg/ml)との間に高い相関関係が得られた。このようにIgE抗体固定化磁性細菌粒子にアレルゲン認識能が確認され、高い選択能を示しことから、この粒子を利用したアレルゲン検出システムの作製とアレルゲン除去装置の試作について今後行う予定である。
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[Publications] Tadashi Matsunaga: "Mass Culture of Magnetic Bacteria and Their Application to Flow Type Immunoassays" IEEE Transactions on Magnetics. 26. 1557-1559 (1990)
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[Publications] Noriyuki Nakamura: "Immunoassay Method for the Determination of Immunogloblin G Using Bacterial Magnetic Particles" Analytical Chemistry. 63. 268-272 (1991)
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[Publications] Tadashi Matsunaga: "Application of Bacterial Magnets" Trends in Biotechnology. 9. 91-95 (1991)
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[Publications] Tadashi Matsunaga: "Magnetites in Magnetic Bacteria and Their New Applications" Automedica.
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[Publications] Noriyuki Nakamura: "“Immunosensor Using Bacterial Magnetites"<in>___ー Advances in Biomagnetism" Plenum Press, 771 (1990)