1990 Fiscal Year Annual Research Report
ポリオキサゾリンを基本骨格とした機能性ゲルの反応設計
Project/Area Number |
02205069
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中條 善樹 京都大学, 工学部, 講師 (70144128)
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Keywords | 複合ゲル / ポリオキサゾリン / リビング重合 / ヒドロシリル化反応 / シランカップリング剤 / ゾルーゲル法 / ポリマ-ハイブリッド / 多孔質シリカ |
Research Abstract |
本研究は、ポリオキサゾリンの有する特性を利用して、新しい機能性材料としての複合ゲルの分子設計および反応設計を行うことを目的とした。本年度は特に,ポリオキサゾリンを基本骨格とした新しい高分子シランカップリング剤を合成し、テトラエトキシシランとのゾルーゲル反応を行うことにより、分子レベルでの有機ー無機高分子ハイブリッドの創成に成功した。 2ーメチルー2ーオキサゾリンの重合をメチルトシレ-トを開始剤として行うと,オキサゾリニウムの活性末端を有するポリオキサゾリンが得られた。次に、このポリマ-を3ーアミノプロピルトリエトキシシランと反応させ、その後塩基性イオン交換樹脂で処理すると、トリエトキシシリル末端ポリオキサゾリンが得られた。このような高分子シランカップリング剤は、ポリマ-の末端二重結合のトリアルコキシシランによるヒドロシリル化反応によっても合成できた。 種々のポリオキサゾリンシランカップリング剤とテトラエトキシシランとをゾル-ゲル法により反応させたところ、均一無色透明なガラス状のハイブリッドが得られた。これは、分子レベルで有機高分子(ポリオキサゾリン)と無機高分子(シリカゲル)が混成した、新しいタイプの複合材料として期待できる。 これらのポリオキサゾリンーシリカゲルハイブリッドは高温(600℃)で熱処理することにより、ポリオキサゾリンセグメントに相当する部分が失われ、多孔質のシリカゲルが得られた。この手法を用いると、シリカゲルの細孔径がハイブリッド状態での有機高分子の大きさ、すなわち分子オ-ダ-で制御できると考えられ、種々の材料としての応用が示唆される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yoshiki Chujo: "Synthesis of Nonionic Hydrogel,Lipogel and Amphigel by Copolymerization of 2ーOxazolines and Bisoxazoline." Macromolecules. 23. 1234-1237 (1990)
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[Publications] Yoshiki Chujo: "Reversible Gelation of Polyoxazoline by Means of DielsーAlder Reaction." Macromolecules. 23. 2636-2641 (1990)
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[Publications] Yoshiki Chujo: "Polyoxazoline Having a Coumarin Moiety as a Pendant Group.Synthesis and PhotoーGelation." Macromolecules. 23. 2693-2697 (1990)
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[Publications] Yoshiki Chujo: "ポリオキサゾリンからの有機ー無機高分子ハイブリッドの合成" 機能材料. 10. 18-27 (1990)
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[Publications] Yoshiki Chujo: "分子レベルでの有機ー無機ポリマ-ハイブリッド" ニュ-セラミックス. 3. 43-47 (1990)
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[Publications] Takeo Saegusa: "An Organic/Inorganic Hybrid Polymer." Journal of Macromolecular Science,Chemistry. A27. 1603-1612 (1990)