1990 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡像にみられる準結晶の異常コントラストの研究
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02212204
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石政 勉 名古屋大学, 教養部, 助教授 (10135270)
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Keywords | 準結晶 / 正20面体相 / AlCuFe合金 / 結晶成長 |
Research Abstract |
Al_<66.3>Cu_<20.4>Fe_<13.3>付近の組成で生じる準結晶相は1002K〜951Kの温度領域で変態し,高完全性準結晶から近似構造の複雑なドメイン構造に変化する。その低温相(近似構造)は疑似正20面体対称の電子線回折像を示し,又電子顕微鏡像にはドメイン構造に関係すると思われる強い異常コントラストが観察された。本研究においては,この異常コントラストの有無を構造完全性の指標として用い 高構造完全性を持ったミリメ-トルサイズの単準結晶の作製方法を確立した。単準結晶を得るための条件を以下に記す。(1)Al_<66.3>Cu_<20.4>Fe_<13.3>の母合金組成を用い,粉砕した試料を原材料とすること。(2)熱処理は,はじめ1143Kに保持し,次に非常にゆっくり(2〜4K/h)で1095Kとt、この温度で焼鈍する。除冷及び1095Kにおける焼鈍中に準結晶粒の成長が生じるものと推定された。(3).1095Kから水焼入れなどの急冷処理を行なうこと。これは、上記の構造変態を妨げる為に不可欠の処理である。以上の方法で作製された単準結晶は最大約3mmの大きさをもち.インゴットの一部に目視できる状態で存在している。又、単準結晶の構造は、いわゆるFタイプであり、高い構造完全性を保持していることが.X線回折及び電子顕微鏡実験によって確認された。この結果は、1990年秋の日本物理学会(予稿集,3ー19p,3ー208p),日中準結晶セミナ-(1990年11月7〜10日,北京)日本電子顕微鏡学会研究部会(1990年12月12〜14日埼玉)などにおいて発表した。又、単準結晶試料を用いたX線回折(散漫散乱)実験及び磁気測定の結果も得られつつあり,1991年春の日本物理学会分料会において発表の予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Ishimasa(M.Mori): "Millimetreーsize single quasicrystals in AlーCuーFe alloy" Philosophical Magazine Letters. 62. 357-364 (1990)
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[Publications] M.Mori(S.Motsuo,T.Ishimasa,他4名): "Photoemission study of on AlーCuーFe icosahedral Phase" J.Phys.:Condens.Matter. 3. 767-771 (1991)