1990 Fiscal Year Annual Research Report
運動ニュ-ロン軸索成長と相関して発現される二種の膜分子の機能解析
Project/Area Number |
02220204
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
田中 英明 群馬大学, 医学部, 助手 (90106906)
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Keywords | 運動ニュ-ロン / 軸索成長 / モノクロ-ナル抗体 / cDNAクロ-ニング / 細胞接着分子 / 神経成長因子リセプタ- |
Research Abstract |
脊髄原基の神経管には、個々の骨格筋に特異的に対応し、神経支配することが運命づけられた運動ニュ-ロンのサブタイプが存在し、運動ニュ-ロンの軸索が能動的に標的筋に到達する通路を選択することを示しているが、それを可能にする分子としては何ひとつ明らかにされていない。そのような未知分子を検出する方法としてモノクロ-ナル抗体法は非常に有力な方法と考えられる。ニワトリ胚を抗原として、これまでに私の確立したモノクロ-ナル抗体SC1とM7412による組織切片の染色パタ-ンは、運動ニュ-ロンの軸索成長と時間的また空間的に大変良く相関し、重要な役割を果たしていると期待された。 これまでに、SC1,M7412抗原分子は細胞表面膜分子であることを明かにし、ニワトリ胚から精製し、ウサギでポリクロ-ナル抗体を作成した。 さらに、今年度は、ファ-ジを使ったニワトリ胚のcDNAライブラリ-を作成し・スクリ-ニングし、SC1,M7412抗原分子のcDNAをクロ-ニングした。それぞれのクロ-ンは、それぞれの精製した抗原分子のN末端アミノ酸配列と一致することで同定した。 M7412分子は未知分子であると考えていたが、実は、nerve growth factor (NGF)のりセプタ-分子であることが、またSC1分子は、これまで未知の新しい細胞接着分子である可能性が、得られたcDNAのシ-クエンスの結果明かとなった。さらに、SC1が細胞接着活性を持つかどうかを調べるため、SC1cDNAを発現ベクタ-に組み込み、ヒト腎由来の293細胞に一過性に発現させ、三角フラスコを用いて旋回培養したところ、SC1(+)の細胞同士が接着し細胞凝集が起こることから、同じ分子同士が接着するホモフィリックな細胞接着分子であることが明らかになった。また、SC1に結合するモノクロ-ナル抗体の一つが、SC1による細胞接着を選択的に阻害することが明らかになった。
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[Publications] Tanaka H: "Molecular cloning and expression of a novel adhesion molecule SC1."
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[Publications] Tanaka H: "Chick nerve growth factor receptor is associa^^ーled with motoneuron axonal pathways"