1990 Fiscal Year Annual Research Report
南方モンゴロイド集団とオ-ストラロメラネシア集団の数緑性に関する遺伝生態学的研究
Project/Area Number |
02225207
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
稲岡 司 熊本大学, 医学部, 助手 (60176386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 一成 熊本大学, 医学部, 講師 (20128325)
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Keywords | モンゴロイド / オ-ストラロ・メラネシアン / パプアニュ-ギニア / 遺伝生態学 / 遺伝血清学 |
Research Abstract |
モンゴロイド集団の南方(いわゆるオセアニア地域)への移住と拡散を解明することを目的として、1989年に収集したニュ-ギニアのオ-ストラロ・メラネシアン(ギデラ族、1980年入口は1850人)の約700の血液サンプルの血清遺伝学的分析ーHLA抗原(特にDR・DQの遺伝子頻度)と赤血球抗原型(ABO,Rh,P,Kidd,Duffy,Lewis,Diego,Kell,Lutheran等の遺伝子頻度)ーを行ない、他のニュ-ギニア高地人・オ-ストラリア原住民やアジアの「純粋な」モンゴロイド集団の値と比較検討した。また、成人T細胞白血病(ATLA)・B型およびC型肝炎(HVBとHVC)抗体については分析をほぼ終え、上記の民族を対象とした報告の収集を急いでいる。その結果、 1.HLA抗原については 1)DRの遺伝子頻度はニュ-ギニア高地人での報告に近いが、オ-ストラリア原住民や日本人での報告とは異なる。 2)DQの遺伝子頻度でもうえと同様の結果が得られた。 3)いくつかのHLA抗原の遺伝子頻度をギデラ族の村落間で比較したところ、大きな差がみられた。 2).赤血球抗原型については 1)DuffyとMNsの遺伝子頻度には、従来から報告されているニュ-ギニア人の特徴(それぞれFy^bとMSの遺伝子頻度が0)がみられた。 2)Pの遺伝子頻度はオ-ストラリア北方に近い値を示した。 3)特にKellの遺伝子頻度が0ではないことが、新しい知見としてえられた。
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