1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02227216
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
渡辺 邦洋 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (40084470)
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Keywords | ビスマスの価数決定 / 銅の価数決定 / I_3^ーの抽出 / BiI_4^ーの抽出 / Bi系超伝導体 / 微量試料による価数分析 / ゼフィラミン / バソクプロイン |
Research Abstract |
1 ビスマス系酸化物高温超伝導体中のCu,Biの価数決定は従来滴定法によってなされて来たが1回の測定に必要な試料量は100mg以上となる。貴重な試料の消費を最少にする目的で従来のヨ-ドメトリ-及び過マンガン酸法に抽出吸光法を導入し,1mg程度の試料で価数決定する方法を開発することを目的とした。 2 Bi(V)の場合はMn^<2+>を使用し、酸性溶液中で生成したMnO_4^ーを吸光度測定することにより,Bi(V)の濃度を求めた。全Bi量はKIと反応させ生成したBiI_4^ーを定量することにより求めた。Cu(II)(III)はKIにより生成したI_3^ーを定量することにより求めた。 3 Bi(V)定量のための最適条件は3MHNO_3溶液中でMn^<2+>が0.001Mの時、迅速で、精度よく定量できた。全BiはBiI_4^ーをゼフィラミンとイオン対としてクロロホルムに抽出し、492nmで測定することにより、定量された。得られた結果より計算でBiの平均価数が求められた。 Cuの平均価数は全Cu量をバソクプロインを用いて475nmで測定することにより求め,更にCu(II),(III)をKIにより生成するI_3^ーをゼフィラミンとイオン対としてクロロホルムに抽出し、364nmで測定し求める。その時Biも364nmに吸収を示すため,予め測定しておいたBi量から、その吸収量を予測し、補正することにより、Cu(II)、(III)の量を知る.得られた結果から、Cuの平均価数を計算で求める。 本法をPbを含まないBi系超伝導体に適用した結果、従来の滴定法と良く一致した。 本法による試料消費量は1回の測定で0.8mg程度あれば十分であり、従来の100mg程度に比べ十分消費量を減少させることができた。
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Research Products
(1 results)