1990 Fiscal Year Annual Research Report
高温物性測定による酸化物超伝導体の評価とキャラクタリゼ-ション
Project/Area Number |
02227218
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大谷 槻男 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70108976)
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Keywords | 酸化物 / 高温超伝導体 / 電気抵抗 / ゼ-ベック係数 / 帯磁率 / 秩序・無秩序転移 / 電子伝導 / 混合型伝導 |
Research Abstract |
酸化物高温超伝導体の説伝導特性は作製条件によって大きく変化する。また臨界温度以上の常伝導状態で通常の金属とは異なる物性を示すことも指摘されている。我々は上の問題を解決するにはこれらの酸化物の室温以上での物性を調べることが必要であると考えた。物性測定は電気抵抗、熱起電力、帯磁率について600℃まで行った。得られた結果を以下に列記する。 1)YBa_2Cu_3O_<7ーy>:電気抵抗、熱起電力測定により640,720,800℃によりそれぞれ相転移が観測された。この内640℃の転移は斜方・正方転移であり、800℃の転移はCu2ー0面からの酸素の脱離によるものと考えられる。熱起電力測定によれば500℃以下ではゼ-ベック係数の符号が負であり、主な伝導担体が電子であることが示唆された。このことより伝導は少なくとも電子とホ-ルの両方によって担われているとの結論に達した。酸素欠損試料には250,650℃に相転移がみられた。酸素原子により秩序・無秩序転移であると思われる。 2)BiーSrーCaーCuーO系酸化物:熱起電力測定によれば室温から900℃までの高温でゼ-ベック係数が負があることがわかった。負の値は2212相(70K級説伝導体)で特に大きくー20μV/Kにも達する。YBCOと同じく電子伝導が大きく関与しているものと思われる。 3)La_<2ーx>Sr_xCuO_<4ーy>:電気抵抗、熱起電力測定においてx≦0.20の組成試料に200℃付近に相転移がみられた。また0.16≦x≦0.60ではゼ-ベック係数が負であることがわかった。 4)Nd_<2ーx>Ce_xCuO_<4ーy>:熱起電力測定により0≦x≦0.20の全ての試料が負のゼ-ベック係数を示すことがわかった。しかしその温度変化はp型酸化物のそれと酷似しておりp型、n型を問わず全ての酸化物超伝導体では共通の伝導機構が存在しいることが予測される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Nishihara: "Phonon Echoes in Superconducting Powders of TlーBaーCaーCuーO and (Bi,Pb)ーSrーCaーCuーO" Advances in Superconductivity II ed.T.Ishiguro and K.Kajimura(SpringerーVerlag,Tokyo,1990). 591-594 (1991)
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[Publications] T.Ohtani: "High Temperature Thermoelectric Power of LnBa_2Cu_3O_<7ーy> and (Bi,Pb)_2Sr_2Ca_2Cu_3Oy" Solid State Lonics. 40/41. 840-842 (1990)
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[Publications] T.Ohtani: "Thermoelectric Power of The HighーTc Oxide Superconductors at Elevated Temperatures"