1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02228110
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武田 喬男 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (60022604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 誠 国立極地研究所, 助手 (40132716)
山内 恭 国立極地研究所, 助教授 (00141995)
遠藤 辰雄 北海道大学, 抵温科学研究所, 助教授 (20001844)
藤吉 康志 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助教授 (40142749)
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Keywords | マイクロ波放射計 / 雲水量 / 航空機観測 |
Research Abstract |
気候変動など地球環境の変化について、現在残された大きな課題の一つは、地球規模の水の分布と循環及びその変動の研究である。本研究は、マイクロ波放射観測による広域の雲水量の評価の可能性と問題点とを整理すると共に、衛星デ-タを用いて、実際の大気環境下の広域の雲水量の分布と変動を調べることを目的としている。 今年度は、航空機による雲水量の雲内直接観測との比較を行った。雲内では雲水量の空間的、時間的変化は激しく、マイクロ波放射計以外の手段で雲水量を正しく測定することは難しい。このため、マンクロ波放射計は雲水量の測定手段として最も有効であるにもかかわらず、世界的にみて、実際の雲について測定された雲水量の検証は未だになされてない。観測は、バンド状の積雲列と層状雲に対して行われた。その結果、マイクロ波放射計から推定した鉛直積分雲水量は、雲粒スペクトロメ-タ-の直接測定から推定した鉛直積分雲水量とほぼ一致する場合と、2倍以上異なっている場合とがあった。これらの値の違いは、雲内観測の方法及び測器そのものが持つ誤差の両方に起因しており、今後観測例を増やし、さらに検討していく予定である。 人工衛星マイクロ波デ-タから評価される雲水量の検証に関しては、WCRPの観測の一環として、1991年 1月南西諸島海域で、上空を通過するMOSlによる観測と同時に、マイクロ波放射計を搭載した航空機による雲の観測を2回行った。この他に、島の上で雲粒子ゾンデ、地上設置マンクロ波放射計などによる雲の観測も行われた。現在、これらのデ-タも用いて、人工衛星マイクロ波デ-タから評価される雲水量の妥当性を検討中である。又、衛星デ-タを用いて解析していく上で、どのような空間スケ-ルで、広域の雲水量を評価するのが妥当か、またそのような平均値は、空間的変動度を考慮してどのような意義を持つのかなどを今後検討することが必要である。次年度は、このような研究も行う予定である。
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