1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02229201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 龍三 東北大学, 工学部, 教授 (20005341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 亮 東北大学, 工学部, 助教授 (50177664)
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Keywords | 傾斜機能材料 / 粉末冶金 / 金属 / セラミックス系複合材料 / SPエネルギ- / 破壊靭性 / 金属纖維 / 延性 / 脆性遷移 |
Research Abstract |
傾斜機能材料の高温度落差場試験においては、強熱されるセラミックス側に大きな圧縮応力が生じ、セラミックスは塑性変形する。その結果、試験片冷却時にセラミックス表層で引張り応力が生じ表面から垂直き裂が走る。このき裂が高金属組成側に進展すると耐酸化性は著しく劣化することが予想される。本研究では、金属/セラミックス系傾斜機能材料への金属纖維の混合による靭性攻着の可能性を検討した。3moL%Y_2O_3ーZrO_2粉に平均粒径3μmのSUS304ステンレス鋼粉および直径4μm、アスペクト比44〜85のSUS316纖維を混合したのち、CIP成形および常圧焼結により供試体を作製した。焼結体から切り出した試験片について小型パンチ試験により延性/脆性遷移の指標となるSPエネルギ-を求めた。さらに破面の観察結果と合せて靭化機構を検討した。結果は次の通りである。(1)粒子混合の場合には、セラミックス60%以上では線形的破壊するが、金属纖維を混合した場合には、75vol.%以上でもなお延性的な破壊を示す。(2)組成比とSPエネルギ-の関係から、纖維混合の場合には90%セラミックスに至るまで徐々に脆性へ遷移することがわかった。纖維のアスペクト比が大きいほどSPエネルギ-は増大し、破壊に対する抵抗は大きくなる。纖維混合による金属相のネットワ-ク形成は、破壊強度およびK_<IC>の低下をもたらすが、き裂開口時に纖維自身がネッキングして破断するためのエネルギ-を必要とするので、き裂進展に対する抵抗力は大きくなり見掛け上の延性が生じたと考えられる。本年度に得られた金属纖維混合の効果は、高温度落差場試験において生ずる表面からの垂直き裂の進展の防止に有効に利用される。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Muramatsu,A.Kawasaki,M.Taya,R.Watanabe: "Fractal Analysis of the Microstructural Transition of P/M Functionally Gradient Materials" Proc.1st International Symposium on FGM,(1990) Sendai,M.Yamanaouchi et al Eds.,(FGM Forum). 53-58 (1990)