1990 Fiscal Year Annual Research Report
組織の超微細化による複合材を含む材料のハイブリット化と界面制御
Project/Area Number |
02229216
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 博太郎 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助教授 (10024366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田 英洋 大阪大学, 工学部, 助手 (60210259)
藤田 広志 近畿大学, 理工学総合研究所, 教授 (30028930)
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Keywords | 超高圧電子顕微鏡 / その場観察 / アルミナ / ジルコニア / 焼結 |
Research Abstract |
構造用先端材料の開発においては、力学的特性を向上させることがまず第一に重要である。本研究では、その向上のための手法として現在最も注目されている組織の超微細化に焦点を合わせて、その実験的検討を超高圧電子顕微鏡法を用いて行った。具体的には2300Kまで加熱可能な高温ステ-ジを備えた超高圧電顕を用いて、αーAl_2O_3(アルミナ)とHfO_2(ハフニア)の焼結過程をその場観察した。 得られた結果は以下のようにまとめられる。約1800Kまでの温度では、Al_2O_3粒の焼結の進行に伴いHfO_2はその表面を移動して互いに合体する。そのため、Al_2O_3粒間のギャップはHfO_2粒により埋められ、気孔の発生やAl_2O_3粒自身の粒界移動が抑制される。試料温度が1850K付近になると、Al_2O_3の粒界移動が活発となり、Al_2O_3粒界上のHfO_2粒はAl_2O_3粒内に閉じ込められる。共晶温度(2163K)近くになると、HfO_2のAl_2O_3粒への固溶が顕著となる。 1800K以上の高温で生ずるαーAl_2O_3粒とHfO_2粒の焼結過程を電子顕微鏡による直接観察によって解明したのはこれが初めてである。 本研究により、αーAl_2O_3粒とHfO_2粒の焼結プロセスが解明された。ここで得られた知見より、この系で微細な組織を得るためには、焼結はAl_2O_3の粒界移動が活発となる1850K以下で行う必要がある上に、HfO_2を均一に分散させることが重要であることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Yasuda: "Gold atom implantation into αーSiC by highーenergy electrom irradiation and state analysis of the resultant phase" J.Ceramic Soc.Japan,International Ed.98. 224-228 (1990)
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[Publications] 樋野 治道: "繊維強化マグネシウム合金の熱的寸法安定性におよぼす外部応力の影響" 日本複合材料学会誌. 16. 30-35 (1990)
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[Publications] 藤田 広志,: "酸化物セラミックスの微細組織制御と塑性" 結晶界面ー基礎から設計までー特定基礎研究会 鉄鋼材料の相界面・結晶粒界の設計と制御部会編 日本鉄鋼協会. 175-183 (1990)
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[Publications] T.Sakata: "Electron irradiation incuced crystalline 〓 amorphous transition in a Co_<75>B_<25> alloy" Acta Met.39. (1991)
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[Publications] M.Komatsu: "Amorphization and crystallization in the binary oxide ceramics" Proc.of the Special Symposium on Advanced Materials,. 99-101 (1990)
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[Publications] H.Mori: "TEM OBSERVATION OF IRON OXIDE PILLARS IN MONTMORILLONITE" Proceedings of the XIIth International Congress for Electron Microscopy. 4. 882-883 (1990)