1990 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル発生機能分子と包接タンパク複合系の構造と機能
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02231204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平間 正博 東北大学, 理学部, 教授 (30165203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 俊之 東北大学, 理学部, 助手 (10217052)
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Keywords | ネオカルジノスタチン / NCS / アクチノキサンチン / アポタンパク / 三次構造 / クロモフォア / コンピュ-タ・モデリング / 二次元NMR |
Research Abstract |
NCSアポタンパク(113残基)の一次構造とホモロジ-の高いアクチノキサンチン(AXN、108残基)のX線結晶構造から、NCSアポタンパクの安定な三次構造をコンピュ-タ・グラフィクス(CG)と分子力学計算(AMBER)から推定した。更に、GRID、AMBER及びMACROMODEL計算により最も安定な複合体三次機造を得た。それによると、(1)クロモフォアはアポタンパクのY字型ポケットの中に快適に収納される。(2)近接しているアミノ酸残基の中でも特に、Phe52はナフタレンに、Asp33とAsp99はNーメチルフコサミンのアミノ基に、Ser98およびLue45はそれぞれカルボネ-ト酸素とメチレンに、それぞれπスタッキング、イオン性相互作用、水素結合、疎水性相互作用して特異的で強い複合体形成に寄与している。(3)安定化には、Phe78,Leu77や糖メチル基による12位の遮蔽が効いていると思われるが、Cys37ーCys47のジスルフィドがアセチレン部に非常に近いことは、両者間の軌道相互作用による安定化を示唆している。また、NCSアポタンパクと複合体NCSについて二次元HNMRによりシグナルの帰属を進めた結果、クロモフォアのナフトエ-トメトキシ基とフェニル基(Phe52)との間にNOEが観測され、モデリングによるタンパクポケット内のクロモフォアの配向を支持した。一方、クロモフォアの推定ラジカル発生機構のシミュレ-ションをかねて、非環状モデルを合成し反応性を検討した。チオ-ルトリガ-によるビニロガスプロパルジル転位によって、室温で安定な共役インエンクムレンを生成させることに成功した。その希薄溶液の分解(1,4ーシクロヘキサジエン中、80℃)は一次反応で進行し(k=1.8_x10^<ー4>s^<ー1>,t_<1/2>=1.1h)、ビラジカル中間体を経て期待されたスチレン誘導体ばからでなくベンゾシクロブタン誘導体をも与えることが分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kenshu Fujiwara: "Two Diverse Modes of Aromafization of a New 10ーMembered Ring Analogue of Neocarzinostatin Chromophore" Tetrahedron Letters. 31. 4329-4332 (1990)
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[Publications] Toshiyuki Tanaka: "Oxidative Triggering for Aromatization of the Neocarzinostatin Chromophore" Tetrahedron Letters. 31. 5947-5950 (1990)
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[Publications] 藤原 憲秀: "ビラジカルを発生する抗腫瘍性天然物とモデルの化学" 現代化学. 14-21 (1990)
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[Publications] Kenshu Fujiwara: "Enyne[3]cumulene.Synthesis and Mode of Aromatization" J.Org.Chem.56. 1688-1689 (1991)
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[Publications] Masaji Ishiguro: "Modeling Study of the Structure of Macromolecular Antitumor Antibiotics,Neocarzinostatin.The Origin of the Stabilization of the Chromophore" J.Med.Chem.
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[Publications] Toshiyuki Tanaka: "Proton NMR Studies on the Chromophore Binding Site in Neocarzinostatin Complex"