1990 Fiscal Year Annual Research Report
複合系遷移金属触媒の高次制御による有用複素環化合物合成
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02231225
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田丸 良直 長崎大学, 工学部, 教授 (80026319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 修司 長崎大学, 工学部, 助教授 (80217033)
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Keywords | 塩化パラジウム / 触媒 / カルボニル化 / γーブチロラクトンー2ー酢酸 / オキサゾリジンー2ーオンー4ー酢酸 |
Research Abstract |
パラジウム0価を触媒として用いるオレフィンのカルボニル化ではオレフィンは何らかのヘテロ脱離基で活性化しておく必要がある(例えばアリルアセデ-ト,ビニルトリフラ-ト)。これに対し、パラジウムII価を触媒とした場合,その酸化能を利用すれば、オレフィンはヘテロ脱離基で活性化する必要はなく,直接、基質として用いうる点で優れている。しかし、後者は反応の1サイクル毎に生成する0価パラジウムをII価に酸化することが必要である。また、オレフィンの位置異性化を伴い易いことや、一酸化炭素が二酸化炭素およびその誘導体へと酸化されるなどの副反応が併発しやすい等の問題点がある。以上の状況を反映して,これまで、カルボニル化といえばパラジウム0価を用いたものが主体であった。本研究ではパラジウムII価を触媒として用いるホモアリルアルコ-ル,ホモプロパルギルアルコ-ルのカルボニル化を検討し,それぞれγーブチロラクトン-ス-酢酸および2ーXチレンーγーブチロラクトンが高収率、高立体選択的に得られることを見出した。 更に、Nートシルカルバミン酸アリルも同様にパラジウムII価を触媒として一酸化炭素による分子内アミノカルボニル化をうけてNートシルオキサゾリジンー2ーオンー4ー酢酸を高収率で与えることも見出した、これらの反応は、いずれも室温付近で,また一酸化炭素一気圧という穏和な条件で進行する。 本研究で得られた化合物はその骨格,官能基から判断すると多才面にわたる生理活性が期待される複素環化合物である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Tamaru: "Palladium Catalyzed [2.3] Rearrangement of Alkyl Allyl Sulfites to Alkyl Allylsulfonates." J.Org.Chem.55. 1823-1829 (1990)
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[Publications] M.Kimura: "Convenient Synthesis of Densely Functionalized NーSubstituted 4ーMethyleneー2ーoxazolidinone." Tetrahedron Lett.31. 4887-4890 (1990)
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[Publications] Y.Tamaru: "Palladium(II) Catalyzed Carbonylation of 3ーButenー1ーols and 3ーButynー1ーols;An Efficient Syntesis of γーButyrolactones." J.Org.Chem.56. 1099-1105 (1991)
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[Publications] K.Yasui: "Synthesis of 1ーAllyloxyー1ーsiloxycyclopropane and 1ーPropargyloxyー1ーsiloxycyclopropanes." J.Org.Chem.
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[Publications] T.Bando: "Efficient Synthesis of 2ーVinylーγーButyrolactones and 2ーVinylーγーButyrolactams by PalladiumーCatalyzed Decarboxylative Carbonylation." J.Org.Chem.